東京都八王子市が配布したのと同じタイプの防犯ブザー |
自治体が子どもに配布している防犯ブザーで故障が多発していることが9日、国民生活センターの調べでわかった。
同センターによると今年7月、東京都八王子市教育委員会から「4月に市内の小学1年生用に防犯ブザーを5000個配布したが、夏までに1000個も故障していた」との相談が寄せられた。この防犯ブザーは、全国防犯協会連合会が「優良防犯ブザー」として推奨しているものだった。
同センターが、この「優良防犯ブザー」として推奨されている8銘柄(600〜998円)について落下衝撃のテストを実施した。1メートルの高さからコンクリートの床に落下させて、正常に作動するか調べた。1回落下させただけで5銘柄で「ブザーが鳴らない」などの故障が発生した。
全国防犯協会連合会の担当者は「1メートルの高さから落下しても故障しないものなどを、優良防犯ブザーとして推奨していた。各メーカーに対し、テストの徹底や性能の改善を求めていく」としている。
また、同センターが全国の政令市、中核市、特例市の計99市を対象にアンケート調査を行い、81市から回答を得た。約7割にあたる58市で、市やPTA、地元企業などが子どもに防犯ブザーを配布または貸与していた。そのうち市が配布または貸与していた31市で調べたところ、25市で「ブザーが鳴らなくなった」などの苦情が寄せられていた。
同センターは「防犯ブザーはいざというとき確実に作動しないと意味がない。定期的に正常に作動するのか確認してほしい」と注意を呼びかけている。
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