(2008/10/05)
《上毛新聞・世論調査(上)》 政権の軸自民46% 政党支持も自民大差
次期衆院選に向け各陣営が準備を本格化していることを踏まえ、上毛新聞社は一日から三日まで県内有権者を対象に衆院選世論調査を実施した。小選挙区の支持率は2区の自民・民主現職二氏が拮抗(きっこう)、4区は自民現職に「民主が擁立する候補」が迫っている。1、3区は自民現職が民主新人をそれぞれ上回ったが、前回二〇〇五年衆院選の自民、民主候補の得票率と比べると差が小さい。5区は自民現職が浸透している。望ましい政権は「自民」と「自公連立」の合計が46・1%、「民主」「民主中心」は29・1%だった。ただ、誰に投票するか決めていないとする回答者が五割を超えており、情勢が変化する可能性がある。
◎民主、2区拮抗、4区も迫る 小選挙区支持率 1区は尾身幸次氏(自民)が自民、公明支持層の六割以上を固め、民主の一部にも食い込んでいる。宮崎岳志氏(民主)は民主支持層の六割、社民の五割以上に浸透、共産や無党派層からも支持を得ている。酒井宏明氏(共産)は共産支持層の六割を固めた。 2区の笹川尭氏(自民)は自民支持層の六割、公明の九割近くが支持。石関貴史氏(民主)は民主支持層の九割近くが支持しているほか社民、無党派層の五割前後にも支持を広げている。年齢層別では笹川氏が七十歳以上で大きくリードしているのに対し、石関氏は二十代で高い支持を得ている。 3区は谷津義男氏(自民)が自民支持層の六割に浸透するほか、無党派層の四割も支持。柿沼正明氏(民主)は民主支持層の八割近くが投票の意向を示した。公明支持層は支持が割れている。 4区は福田康夫氏(自民)を自民、公明支持層の六割前後が支持している。民主は公認候補を発表していないため、「民主が擁立する候補」に対する投票の意向を尋ねたところ、民主支持層の七割近く、共産、社民の六割が投票するとした。 5区の小渕優子氏(自民)は自民支持層の八割、公明の九割以上が支持。共産や無党派層にも浸透している。社民党が候補の擁立を表明しているため「社民が擁立する候補」として支持動向を調べたところ、社民支持層の八割以上、民主の四割以上が投票するとした。 ◎民主支持6ポイント上昇 若年、高齢層は自民 比例代表 上毛新聞社が実施した世論調査では、前回二〇〇五年衆院選時と比べ、1区から4区で民主候補が支持を広げる可能性がうかがえたほか、比例代表の投票先も民主党が前回衆院選時の調査から6ポイント近く上昇した。政党支持率に大きな変化はなく、現在のところ政権交代を期待する幅広い層が民主候補などの支持率を底上げしていると言えそうだ。 ただ、「望ましい政権の枠組み」は、「自民」か「自公連立」と「民主」「民主中心」で開きがあり、民主の政権担当能力に対する有権者の厳しい視線もうかがえる。 普段から支持する政党は自民が47・2%でトップ。民主10・8%、公明2・8%、共産2・3%、社民0・9%、国民新0・2%―などと続いた。 「比例代表で投票したい政党」を聞いたところ、自民40・2%、民主28・9%。政党支持率と比べ自民と民主の差が小さく、自民支持層の流動化がうかがえた。公明は3・9%、共産2・6%、社民1・2%、国民新0・9%だった。 政権の枠組みは、自民と公明の連立が29・0%で一位。続いて民主中心の非自民連立21・9%、自民単独17・1%、民主単独7・2%だった。 自民中心の政権が望ましいとしたのは二十代と六十歳以上で高く、民主は三十代から五十代で比較的高かった。若年層と高齢層での安定志向などが背景にあるとみられる。 【分析の方法】 一―三日の三日間、県内の有権者を対象に、コンピューターで無作為に電話番号を発生させて電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で世論調査を実施。無作為に発生させた番号のうち、二千六百六十人から回答を得た。 世論調査のデータに、各選挙区ごとの取材による有権者の動向を加味し、分析した。 |
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