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米金融危機:なぜウォンだけ安いのか(下)

企業や銀行の危機意識がウォン安をあおる結果に

◆過敏な反応が大きな原因

 韓国の外国為替市場がわずかな悪材料にも大きく影響を受けるのは、将来に対する行き過ぎた不安感のためという指摘が多い。

 とりわけウォンはドルやユーロとは異なり、基軸通貨でも世界的通貨でもないことから、市場ですぐに反応してしまう。「アジア通貨危機のような状況が再び訪れるのでは」という企業、銀行、個人の不安や危機意識があまりにも大きく、これが為替の変動に影響を与えているのだ。

 今年に入って経常収支の赤字が累積し、外国人による直接投資も急減するなど、韓国経済の基礎体力に問題が生じているという点も見過ごせない。主な新興市場で今年の経常収支が赤字を記録している韓国とインドの通貨が最も大きく下落している。韓国は輸出依存度が高く、世界的な景気不振による影響を最も受けやすいという不安も作用しているのだ。

 その上、外国人による株式市場からの資金回収が進み、これもウォン安の大きな原因となっている。

 しかし1日に60ウォンも値を下げる状況については、為替の専門家も「率直に言って、論理的に説明するのは難しい」と語る。

 現在、経済研究院の韓相完(ハン・サンワン)経済研究本部長は、「韓国経済の基礎体力を考えても、最近の急激なウォン安は心理的要素が大きい。不安な心理のスキを突いて投機も加勢しているようだ」と述べた。

姜京希(カン・ギョンヒ)記者

鄭恵全(チョン・ヘジョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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