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「虐殺黙殺」の法王擁護 バチカン、没後50年ミサ
第二次大戦中のナチスによるユダヤ人虐殺に沈黙を守ったとして批判された元ローマ法王、ピウス12世(在位1939−58年)の没後50年のミサが9日、法王庁(バチカン)で行われ、法王ベネディクト16世は「ピウス12世はあらゆる迫害から人々を救おうとした」と擁護した。一部ユダヤ人団体は元法王や、大戦中の過ちを認めようとしない現在のバチカンの姿勢を批判しており、法王の発言は論争を呼びそうだ。
7日にローマで行われた宗教会議に出席したユダヤ教のラビ(宗教指導者)は「元法王はナチスを恐れ、発言しなかったのだろうが、われわれはこのことを忘れない」と述べた。
元法王は大戦で中立を主張。ユダヤ人虐殺についても明確な批判の立場を示さず、見殺しにしたと批判された。一方、多数のユダヤ人をバチカンにかくまったことなどから擁護する意見もあり、戦後60年以上たった今も論争が続いている。(共同)