タクシー運転手の男性(当時56歳)がくも膜下出血で死亡したのは会社が高血圧と知りながら過重な労働を強いたのが原因として、遺族が勤務先の「篠栗タクシー」(福岡県篠栗町)に慰謝料など計約7900万円の損害賠償を求めた訴訟で、福岡地裁(野尻純夫裁判官)は9日、同社に計約3600万円を支払うよう命じた。
判決によると、男性は91年5月から同社で乗務員として勤務。03年6月に自宅でくも膜下出血で倒れ、翌7月に死亡した。
野尻裁判官は、02年12月から倒れるまでの時間外労働は1カ月平均で80時間を超えていたことから「死亡は過労によるもの」と認定。「会社は健康診断で男性の高血圧を認識していたにもかかわらず、的確な措置をとらず公休出勤も打診するなど安全配慮義務違反があった」と指摘した。
男性の死亡は労災と認定されている。
毎日新聞 2008年10月9日 22時40分