「対称性は破れる運命にある」と英語で書いた南部さん直筆の色紙
南部さんが色紙の包み紙に書いた日本語訳
ノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎さんは、近所づきあいで親しくなった女性の長男の結婚祝いに、「対称性は破れる運命にある」と自分で書いた色紙を贈っていた。女性は意味をつかみかねていたが、今回の受賞で初めて納得した。
南部さん夫妻の留守宅は大阪府豊中市にある。帰国時に一緒に花見へ出かけるなど親しく近所づき合いをしている林靖子さん(65)は8日朝、数年前に長男が結婚した際に書いてもらった色紙をたんすの引き出しにしまい込んでいたのを思い出した。
英語でつづられており、南部さんに頼んで包み紙に書いてもらった日本語訳は「対称性は破れる運命にある」とあった。「慶事なのに『破れ』って何だろう」と思っていた。しかし、新聞報道などで今回の授賞理由が「対称性の破れ」と知ってびっくり。林さんは「色紙が家宝になった気がする。うれしい」と声を弾ませた。今後は額に飾るという。(島俊彰)