テストを受けたら、結果を知りたくなるのは人情。出来が良ければホッとするし、芳しくなければ落ち込む。個人ならそれで済むが、公表となると話はややこしくなる▼文部科学省が実施した全国学力テスト。市町村別成績の公表の是非をめぐって、橋下徹大阪府知事がほえた。「くそ教育委員会が『発表しない』と言っている」と、府内の市町村教委をこき下ろした ▼大阪は全科目で全国平均を下回ったから、橋下さんの怒りと落胆、分からなくもない。でも「くそ」とは穏やかではない。第一、教育上好ましい言葉遣いではなかろう▼寺田典城秋田県知事も公表に前向き。こちらは、言葉遣いを含めた生活指導や少人数授業が奏功、小学校では全科目で2年連続の全国1位だった。大阪と違って「鼻高々」の気分だろう ▼「税金を使ったテスト。結果を公表して活用することは県民の利益にかなう」と寺田さん。ただ、文科省は過度の競争と学校の序列化を招くとして市町村名、学校名を公表しないよう通知している▼学力国際調査で、成績上位のフィンランド政府関係者の言葉。「学校を評価する場合、調査内容を公開したり、よい学校とか悪い学校を示す一覧表も作らない」(福田誠治著『競争やめたら学力世界一』)。この問題、少し頭を冷やした方がいい。 2008年09月13日土曜日
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