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金融危機:中国、人民元高回避狙う

 【北京・大塚卓也】中国が8日、利下げに踏み切ったのは、金融危機が世界に広がる中で、中国が相対的な金利高を続けていればドルやユーロ安が進行して中国・人民元高を招き、北京五輪後に減速を続ける国内経済に影響が大きいと判断したためとみられる。

 中国は米大手証券、リーマン・ブラザーズが破綻(はたん)した先月15日に、6年7カ月ぶりの利下げに踏み切り、従来のインフレ防止重視の姿勢を転換した。8月の消費者物価上昇率は前年同月比4%台まで落ち着いたものの、卸売物価指数は逆に10%を超える水準が続いている。こうした中で短期間に2度の利下げに踏み切ったのは、人民元高を招けば、輸出減に加え、中国経済の成長を支える海外からの直接投資にブレーキがかかり、北京五輪後の景気減速感が強まりかねないとの判断があったと見られる。

 中国は、1兆8000億ドルに上る世界一の外貨準備高がある。その大半は米国債で運用しており、ドル安が進めば含み損が拡大することに国内の懸念が広がっており、このことも利下げの遠因になっていると見られる。

毎日新聞 2008年10月9日 東京朝刊

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