【社説】犬のエサ用の腐った鶏肉が兵士たちの口に
消費期限を過ぎ、犬のエサなどに使用しなければならない冷凍の鶏肉を軍に納品した業者と、金を受け取ってこれを黙認していた畜産業協同組合(畜協)の職員らが検察に摘発された。軍の納品規定では、鶏肉は捕獲・処理されてから6カ月以内のものだけを納品することになっている。冷凍してから1年以上過ぎた鶏肉は廃棄するか、犬のエサなどに使用しなければならない。だが、問題の業者は冷凍してから2‐3年も過ぎた鶏肉に、軍の獣医による「検査済み」の印鑑を偽造して押印した上で、約50の部隊に納品していたという。
問題の業者は冷凍倉庫から、長い間放置され食用には適さない鶏肉を無料で譲り受け、1年以上保管した上で軍に納品していた。腐敗して異臭のする鶏肉は水洗いしたり、骨を除去していたという。鶏肉135トンといえば、兵士一人が1回の食事で100グラムずつ食べると仮定した場合、135万人分にも上る量だ。これを食べて体に異常をきたした兵士が一体どれだけいたのかについては、まだ調査すら行われていない。若い兵士たちは「鶏肉が出た」と言って喜んで食べたことだろう。いくら金儲けが大事だとはいっても、たとえ金儲けのためであろうとも絶対にしてはならないことがある。兵士の親たちは、息子が動物のエサ用の腐った肉を食べていたと聞いて、果たしてどう思うことだろうか。
問題の鶏肉は、鳥インフルエンザが大量発生した際、業者が安値で買い取り、冷凍倉庫に保管していたものだという。鳥インフルエンザの騒ぎが収まれば、冷凍倉庫から取り出して市場に流通させようとしたというわけだ。そして、売れ残って腐ってきた鶏肉を軍に納品したのだ。軍隊では「鳥インフルエンザの騒ぎが収まった後、鶏肉をたらふく食べられる」といううわさが以前から出回っていたという。
軍当局もまた、腐った鶏肉が兵士たちの食卓に上るのを放置していたのは怠慢だったと言わざるを得ない。軍に納品される畜産物を検査する獣医たちが新鮮な鶏肉と悪臭を放つ腐った冷凍肉を見分けられなかったとでもいうのだろうか。どうか、韓国の親たちが子どもたちを安心して軍隊へ預けられるようにしてもらいたい。兵士たちの口に入る食べ物だけでも、徹底的な検査をするくらいのことは、それほど難しいことではないはずだ。
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