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女性産科医:過半数、妊娠中も当直減らず 育休制度4割なし

 産婦人科で働く女性医師の3分の1は妊娠・育児中であるにもかかわらず、病院が子育て支援のために当直を減らしたり、院内保育所を設けているケースが半数以下であることが、日本産婦人科医会の実態調査で分かった。法律で義務付けられた育児休暇制度も約4割の分娩(ぶんべん)施設が「ない」と答えており、医会は「女性医師は医師不足にあえぐ産科の貴重な戦力なのに、管理者の意識が低すぎる」と嘆いている。

 産婦人科の女性医師の割合は2割を超え、一般の診療科(約15%)よりも高いが、免許取得後10年で半数が分娩から離れており、職場の育児環境整備が急務になっている。今回、全国853カ所の分娩施設から回答を得た調査では、女性医師の33%が妊娠・育児中で、リスクが高い妊娠を扱う大学病院や日赤病院でも3割を超えていた。

 こうした女性医師に配慮し、当直回数を減らしている施設は、妊娠で46%、育児で41%と、いずれも半数以下。特に国公立病院は、育児中でも6割以上が通常の当直を余儀なくされていた。代わりの医師を手当てする制度がある施設も13%だけだった。

 院内保育所を設けている分娩施設は47%で、日本医師会調査による全病院平均(31%)よりは対応が進んでいる。ただし病児保育や24時間保育があるのは1割程度しかなく、利用者は約4割にとどまっていた。また育児休暇については、38%の施設が育児休業法に反して「ない」と回答しており、実際に3割の女性医師が休暇を取れていなかった。【清水健二】

毎日新聞 2008年10月9日 東京夕刊

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