2003年6月23日
asahi.com 22日 20:40
民主党の菅代表は22日、鳥取県米子市内で講演し、次の衆院選に向けて作成中の具体的な政策公約集「マニフェスト」に高速道路料金の無料化を盛り込む考えを表明した。
(中略)
菅氏は「政権交代したら3年以内に高速道路の料金を無料化したい。日本経済、地方にとってもプラスになる」と強調。日本道路公団などの多額の累積債務については、例えば大型トラックなど営業車が年間10万円、普通車が年1万円を負担することで解消できるとの見解を明らかにした。
これが実現したら ETC なんかいらないよね。まだ買うのは早いかな。でも、ETC を既に付けちゃった人はガッカリだろう。民主党って人気ないから、タダの人気取りかもしれない。実現までのプロセスをキッチリ政策で示してもらわないと信用できないね。
「大型トラックなど営業車が年間10万円、普通車が年1万円を負担することで解消できる」ってのが、そもそもまゆつばなんだ。
確かに無料化すれば料金所がいらなくなって、人件費が大幅に減る。ETC もいらなくなる。でも、それは高速道路を利用しない「軽トラ」からも「高速道路負担金」を1万円出してもらうということだろう。単純に自動車の数で割り算しただけじゃないのかな?
どうも絵に描いた餅のような気がするんだよ。年間たった1万円で高速道路が走りホーダイになったら、アタシは魚紳さん状態になっちゃうだろう。「日本全国高速釣り行脚」とフィッシングベストの背中に刺繍を入れちゃうぞ。
さて、
同じ記事を他の新聞で探してみたが、毎日と読売では見つからなかった。毎日と読売は民主党がキライなのだろうか? それともニュースにする価値もない「たわごと」なのだろうか?
やや遅れて産経にも載ったので、読んでみると・・・
産経 Web 22日 23:08
民主党の菅直人代表は22日午後、鳥取県米子市で講演し「民主党が政権を取ったら、3年以内に高速道路を無料化するとマニフェスト(政策綱領)に盛り込みたい。東京や大阪など混雑する所は例外的に有料とするが、地方では無料にした方が経済効果がある」と述べ、次期衆院選の経済対策の目玉公約として高速道路無料化を掲げる考えを示した。
無料化の財源としては「日本には現在約7000万台の車があり、1台に年5万円課税すれば3兆5000億円になる。料金所も廃止できる」ことなどを挙げた。
なんか、朝日に書いてあったことと違うね。平均5万円だって。それじゃ、単純にならしただけで、意味ネージャン! ちっとも安くないし。
実現の可能性が低いから、読売は書かないよ。今のところ今年のメーク・ミラクルより可能性が低そうだ。第一、民主党が政権を取ったらの話でしょ。弊害までは計算されてないし、「絵に描いた餅」と言われても仕方ない。
高速道路を無料化すると必ず弊害も出てくる。パッと思いつくだけで、どんな弊害が出るか予想してみよう。
まあ、長期的には素晴らしい考えだと思う。世界一の輸送コストを一気に減らせば、暮らしに余裕が生まれる。そうすれば、旅をする人が増えて地方経済も活性化するだろう。人々が国内旅行を楽しんで、日本の良さを見直せば、きっと将来に明るい展望が見えてくるはずだ。
そう考えると、あらゆる弊害を度外視してでもやるべきだと思う。民主党も、ようやく目覚めたね。今までの民主党には、わかりやすくて画期的な政策がなかった。だから人気がなかったんだ。言い出したからには命懸けでやれよな。実現できそうなシナリオを書いたら応援してやろう。
なお、画期的な政策については、2002.9.23 と 9.24 に連続して書いているから、ヒマだったら読んでみて。
なお、この問題の続編はこちら→【高速道路無料化-2】(7.5)