ウォン安と資金調達難、苦境に立つ企業(下)
◆造船業界の為替差損、上期だけで3兆5000億ウォン
過去数年にわたり先物取引で為替ヘッジを行ってきた造船業界の為替差損も大きく膨らんでいる。現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋など大手造船会社の上期の為替差損は3兆5000億ウォン(約2660億円)に達する。2005年以降、ウォン高が続いたため、造船業界は1-2年後に受け取るドルの為替レートをあらかじめ定める先物取引を利用してきた。例えば、1ドル=950ウォンでドルを売る先物契約を結んだ企業はウォン相場が同1300ウォンまで下落したことで、350ウォンの評価損が生じる。大手造船会社の関係者は「為替差損は評価損なので当面のキャッシュフローには問題ないが、損失規模が大きいため心配だ」と述べた。
輸出比率が高いサムスン、現代自動車、LGグループも万一の事態に備えた資金支援のシナリオを立てるなど対応に乗り出した。4大グループのある幹部は「グループの財務担当者が集まり、国際金融市場の状況と系列各社別の資金状況をチェックした。当面問題はないが、協力先企業の不渡りなどさまざまな状況に備えている」と話した。
◆ドル確保に全力
各企業はドル、ウォンを問わず現金確保に総力を挙げている。LS電線の関係者は「輸出代金として受け取ったドルは最大限長期にわたり保有するようにし、代金支払いを最大限遅らせている。万一の事態に備え、ドル現金を出来るだけ確保している」と語った。釜山でゴム輸出業を手がけるD社も「ドル不足がどれだけ深刻化するか予測できないため、輸出代金をいったんプールしている」と話した。
問題は輸出業者がドルを手元に置き、市場に放出しないため、ウォンの一段安を招いている点だ。最近韓国の外国為替市場に供給されるドルは1日当たり50億‐60億ドル(約5060億‐6080億円)で、通常の100億‐120億ドル(約1兆120億‐1兆2160億円)の半分にすぎない。
方聖秀(パン・ソンス)記者
李性勲(イ・ソンフン)記者
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