「ノーベル賞日本に盗まれた」 伊学会が物理学賞に異議【ローマ8日共同】「ノーベル賞を日本に盗まれた」-。今年のノーベル物理学賞受賞が決まった日本の3人のうち、小林誠、益川敏英両氏への授賞にイタリアの物理学会が反発している。両氏の理論の基礎をつくったとされるローマ大のニコラ・カビボ教授(73)が同時に選ばれなかったためだ。同国の主要紙が8日、一斉に伝えた。 カビボ氏が受賞を逃したことについては、英科学誌のほか、世界最大の素粒子実験施設「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」を建設した欧州合同原子核研究所(CERN)の研究者らからも疑問の声が上がっているという。 小林、益川両氏は1973年、素粒子のクォークは少なくとも6種類あり、互いに変身し合うとの「小林・益川理論」を発表したが、カビボ氏はこれに先立つ63年に同理論の基礎となる考えを提唱。物理学会では「カビボ・小林・益川理論」と3人の名を冠して呼ばれることがあるという。 イタリア物理学会のリッチ会長は「カビボ氏が理論の基本的部分の発見に貢献した。今回の決定は理解できない」と話した。だが、カビボ氏自身は何のコメントもしていない。
【共同通信】
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