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ウォン安:韓国銀行、金利をめぐりジレンマに

 「一歩先も予測できない。民間の研究所の予測もバラバラだし、(韓国銀行)内部の予測もすべてバラバラだ」(韓国銀行関係者)

 世界的な金融不安と景気不振の影響で各国が金利を引き下げる動きを示しているが、韓国銀行は9日に開催される金融通貨委員会を前に頭を痛めている。急激なウォン安、景気後退、物価上昇など、最近の国内経済は混乱を来しており、金利を上げるのも下げるのも非常に困難な状況にあるからだ。

 今回、金利の引き下げを発表した国々と同様、韓国でも消費や投資など実体経済も急速に委縮し始めているが、「だからこそ金利の引き下げが必要」という意見もある。しかしウォン安も大きな要因だ。通貨危機が心配されるほどドル不足が続く現在の状況で金利を引き下げた場合、外国人たちは高金利を求めて韓国の債権を売り、海外へと資金を引き揚げる可能性もある。韓銀は最近、物価よりもウォン安に歯止めをかけることに神経を使っているようだ。韓銀の関係者は「数日前まで成長か物価かどちらに重点を置くか悩んでいたが、最近は外貨の流動性にも頭を痛めている」と述べた。

 外国為替担当の局長は、1日に3回から4回為替が変動するたびに、李成太(イ・ソンテ)総裁に直接報告し対策を話し合っている。

 物価を安定させるためにも、現時点ではウォン安に歯止めをかけることが急務だ。国際原油価格が1%上がれば消費者物価は年間0.02%上昇するが、ウォンがドルに対して1%安くなれば物価は年間0.08%上昇するという。ウォンは今年初めから今月8日までの間に49%も安くなっている。

 専門家は韓銀が今回も金利を現在の年5.25%に据え置く可能性が高いと予想している。金利を引き下げるとウォン安をさらに容認するものと受け取られる可能性があり、そうなると輸入物価に大きな影響が及ぶという点に、韓銀は最も頭を痛めているという。

趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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