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【産科医解体新書】(7)小児科、麻酔科との協力不可欠 (2/2ページ)
周産期の救急医療で産科医不足が叫ばれていますが、小児科医と麻酔科医も不足しており、もはや限界に近いのです。友人の麻酔科医や小児科医と話をすると、決まって「医者個人の努力には限界がある」という話になります。
周産期医療の発達で、一昔前ならあきらめていたかもしれない命も救える可能性が増えました。しかし、たとえ命を救うことができたとしても、今も昔もそれは幸運に幸運が重なってのことであると、僕らは戒めにしています。大きな施設で潤沢な資金と最新の機器を用い、多くの医師や医療従事者がかかわることで、どうにか救命率を上昇させることができます。それでも100%ではありません。
産科医療に携わるようになって、生命の脆(もろ)さをますます畏怖(いふ)しますし、その生命を救うために日夜、多くの医師が挑戦し続けているのです。(産科医・ブロガー 田村正明)