国土交通省と農林水産省で、ODA(政府開発援助)の技術協力に使う予算から、ODA以外の業務で帰宅が遅くなった職員のタクシー代などを支出していたことが、会計検査院の検査で分かった。国会からの要請で国交、農水、文部科学、厚生労働、経済産業の5省についてODAの会計を調べた。検査院は8日、結果を国会に報告した。
検査院によると、ODAの業務で残業した場合のタクシー代をODA予算から支出するのは問題ない。会計担当で仕分けるべきだったという。なお、検査院は支出の適否について最終判断をしていないため、詳細な金額を報告していない。
また、独立行政法人「日本学生支援機構」は04〜07年度、国際交流会館などの運営業務を財団法人「日本国際教育支援協会」に随意契約で委託していた。委託費は計29億9142万円。検査院は同協会以外でも運営可能と指摘した。同機構は競争入札の導入を始めている。
5省庁から委託や補助を受けてODA事業をしている公益法人のうち、検査院が07年4月現在で調べた63法人では、50法人に委託元の省出身者が常勤で天下っていた。常勤役員99人、常勤職員196人の計295人だった。【苅田伸宏、林哲平】
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