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「台湾政権は対日関係を重視」新駐日代表、「双十節」レセプションで
台北駐日経済文化代表処の馮(ひよう)寄(き)台(たい)代表(台湾の駐日大使に相当)は8日、都内のホテルで開かれた「国慶節」を祝う「双十節レセプション」で、先月末の着任以来、公式の場で初めてあいさつし、「馬英九総統は日本との関係を非常に重視している」と強調した。
6月に尖閣諸島沖で起きた台湾の遊漁船沈没問題をきっかけにギクシャクした対日関係を、馬政権として改めて修復し、発展させる意向を示した。馮氏はさらに「台日は自由、民主、人権など価値観を共有する隣人。双方が知恵と創意を発揮すれば相互関係は一層密接になる」とも述べた。
馮氏は台湾の外交官だった父親の赴任に伴い、小中学校時代を東京で過ごした経験がある。この日は日本語であいさつし、「水原茂監督時代の読売巨人軍のラインアップは今でも覚えている」として守備と選手名をそらんじ、巨人ファンぶりを披露するなど、個人的にも日本と浅からぬ縁があることも紹介。およそ1500人集まった日台関係者らにアピールした。
双十節は、台湾が称している「中華民国」の成立を導いた辛亥(しんがい)革命(1911年)を記念したもので、台湾が毎年10月10日前後に世界中で祝賀レセプションを開いている。米国の台湾への武器供与決定に対する中国の反発など、台湾海峡に再び緊張が高まる懸念もある中で、日本側の来賓として出席した石原慎太郎・東京都知事は、「アジアでは日韓と並ぶ稀有(けう)な自由な市民社会である台湾を守らなければならない」と話した。(河崎真澄)