メディカルツーリズムって知ってますか
筆者は旅行が好きだ。学生時代は色々な国を放浪した。もっとも、働き始めてからは旅行の頻度も減っているが。一方で、病院に行ったり手術を受けることは、あまり楽しいことではない。もちろん、入院先でのお医者さんや他の患者さんとの出会いは素晴らしいものであるが、できれば病院に通わなくても健やかに過ごせた方が楽しいはずだ。
ではこの「旅行すること」と「病院に行くこと」が合わさると、どうなるか?今日はそんな話題。
皆さんは「メディカルツーリズム」という言葉をご存知だろうか。メディカル・ツーリズムとは、海外の国で手術を受け、ついでにその国の観光までできてしまうパッケージツアーのこと。最近、特に欧米の富裕層で人気を集めはじめている、新しい医療サービスである。
なぜ、わざわざ海外までいって手術を受けるのか?理由は医療費。行き先は東南アジア、南アフリカ、インドなどのいわゆる途上国。先進国と比較して、非常に安価に医療サービスを受けることができる国だ。
しかし、「安かろう悪かろう」のサービスでは誰も利用したがらないのはどの分野でも同じ。渡航先の国では、安価な治療費で、先進国とほぼ遜色のない程度の高度な医療を受けることができる。例えば、2006年に経営コンサルタントの大前研一氏が日経BPに寄稿したレポートによると、インドの医療法人「アポログループ」における心臓手術の成功率は99.7パーセントだという。これは先進国での成功率とほぼ同じかそれ以上の高い成功率である。
この成功率の高さを裏付ける証拠として、アメリカの保険会社は、心臓手術が必要な契約者をわざわざインドに送り、アポロなどの医療機関で手術を受けさせているという。保険会社にとっては、契約者は健康に長生きしてくれた方が都合が良い。わざわざ医療レベルの低いところに契約者を送る必要は無いのだから、これは成功率99.7パーセントを裏付ける事実といえる。アメリカでは5万ドルかかる心臓手術が、インドでは5000ドルで済むという。仮に渡航費や滞在費を加えても、アメリカで受けるよりもかなりの安価で手術を受けることができるわけだ。
メディカルツーリズムで受けられる医療サービスは、心臓手術の他にも人間ドック、美容整形などが有名。しかし最近はサービスも充実してきており、例えば台湾では人工生殖、関節置換手術、生体肝移植など、高度な先進医療を受けることもできる。
メディカルツーリズムが注目を集める背景には、国内での医療費の高騰があげられる。例えばアメリカは、国家による医療保障制度が充実しておらず、企業が従業員の医療費を一部負担していた。しかし、医療費と保険金が高騰した結果、企業が負担していた医療保険すら存続が危うくなっており、メディカルツーリズムに注目が集まっているというわけだ。
日本でも、医療費が年々高騰しているという話を聞くが、同じようにメディカルツーリズムが普及する可能性はあるのだろうか。現時点では、これについてはイエスともノーとも言えない状況。日本には、小学生以上70歳未満であれば、医療費の3割の自己負担で通常の治療を受けられる「国民皆保険制度」があり、医療保障制度は先進国の中でもトップクラスの手厚さだからだ。
ただ、今後の社会情勢いかんでは、メディカルツーリズムが日本に浸透する可能性もある。ガンジス川の雄大な流れを眺めながら手術、なんて、結構いいかも!?
(kachigo/MediThink)
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