ここから本文です。現在の位置は トップ > 地域ニュース > 長崎 > 記事です。

長崎

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷
印刷

医療のひろば@諫早医師会:/7 医療事故調/上 /長崎

 ◇「再発防止制度こそ必要」

 厚生労働省が構想を練る「医療事故調査委員会」に対し、医療界では反発の動きが出始めている。諫早医師会も構想に真っ向から反対している。

    ■

 医師法21条は「医師は死体を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない」と定める。「異状」の定義はあいまいで、以前は致命傷などが一般的解釈だった。これが99年の都立広尾病院事件(点滴で消毒液を誤注入)などの医療過誤多発で変わる。厚労省が00年、診療行為に関連した死亡例(診療関連死)を警察に届け出るよう指導したためだ。

 医療現場は21条違反を恐れ、診療関連死があればすべて警察に届け出るようになった。このため、99年には20件だった届け出が05年には177件と激増。警察の医療事故送検数も比例して増えた。

 そこで、厚労省が考案したのが「医療事故調」。現在、医療ミスがあった場合は医療機関が警察に直接届け出ているが、それを医師による「医療事故調」が事件性の有無を判断してから届け出るようにしようという制度だ。

 しかし、諫早医師会は、この制度も結局は医師の責任追及と連動し、医療側と患者側の対立を生むのではないかと危惧(きぐ)する。医療ミスを恐れ過ぎ、「萎縮(いしゅく)医療」につながるとの指摘もある。諫早医師会の満岡渉医師は「再発防止を目的にした制度こそ必要だ」と語り始めた。【柳瀬成一郎】(次回は22日掲載)

毎日新聞 2008年10月8日 地方版

 
郷土料理百選

特集企画

おすすめ情報