2008年10月8日 13時45分更新
奈良県は、2年連続の赤字になっている県立奈良病院の経営を建て直すため、広く人材を募りたいとして、全国の都道府県立病院で初めて、院長を公募で選ぶことになりました。
これは、奈良県の荒井知事が、8日の記者会見で明らかにしたものです。
奈良県北部の拠点病院である、奈良市の県立奈良病院は、脳神経外科や眼科の医師が辞め、受け入れられる患者数が減ったことなどから経営が悪化していて、平成19年度の決算では、5億2000万円余りの赤字を計上しています。
このため県では、経営を建て直せる人材を、全国から広く募りたいとして、来年3月末で定年退職する今の院長の後任を、内部からの昇格ではなく、公募で選ぶことにしました。
都道府県立病院の院長を公募するのは、全国で初めてだということで、全国の医師会に資料を送ったり、医療関係の雑誌に掲載したりして、応募を募ることにしています。
採用の条件は臨床経験が25年以上ある50歳から60歳までの医師で、任期は5年となっています。また、院長の報酬を、今よりも10%以上、引き上げ、年収1450万円程度にするということです。県では書類選考や面接をしたうえで、ことし12月中旬には新しい院長を決めたいとしています。
荒井知事は「県立病院の経営は危機的状況で、新しい院長には経営の腕に期待したい」と話しています。