2008年08月17日(日)

反逆者②

テーマ:Pプレス

2008年6月26日(木)、午後3時から社内で始まった話し合い。


僕は、社員みんなが聞いているところで、(Pプレス社長)の行なった悪事を洗いざらい暴露してやるつもりでいました。


結果的には、この試みは何の意味も持たなかったことになるのですが…。


さて、前回の続きです。


僕の言葉を聞いて見る見るうちに形相を変えたは、「私が全て悪いと言いたいのですね!」と言い放ちました。


は、他人のことを自分の「」か「味方」に分けることしか知らないようです。


僕は、もはや完全に「」になってしまいました。


いやいや、そんな単純な問題じゃないでしょう!


僕は続けました。


Nさん(経理)に対しても滅茶苦茶じゃないですか! そもそも資金繰り表を見せようとしたのは、そんなにいけないことなんですか!


えーッ! だって最初にこれだけは見せないでくれって言ってありますよ!


でも、コピーして外部の人に渡したわけじゃないんでしょう! ウッカリってこともあるじゃないですか!


ウッカリって言ったって、彼女は経理なんですよ! じゃあ、ウッカリ金庫のお金に手を付けてもいいって言うんですか!


それは話が飛躍し過ぎでしょう!


僕はT役員(A出版元社長)に尋ねました。


「『資金繰り表を見せようとしたっていうのは、そんなに悪いことなんでしょうか。


う~ん、普通は資金繰り表なんてのは、あんまり人に見せるもんじゃないよな。


ほら!


だけど、T自身が銀行融資とか、カネの話を社内で比較的オープンにしているからさあ。そういう環境の中だったら無理もないんじゃないの。


確かには、「ちょっと、みんな聞いて~! ○○銀行から××万円の融資が決定したよ~! わ~い!」などと、いつも社員全員の前ではしゃいでいました。


それでは、Nさんの行為は決定的なことではないんですね。


決定的なことじゃないよ、ちっとも。


しかも、Nさんは「資金繰り表」を「見せようとした」のではなく、わからない部分をY課長に「質問しようとした」だけなのです。


僕は再びの方を向きました。


大体やり方が汚いじゃないですか! 本人のいない所でカギかけてミーティングやって吊るし上げですよ! こんなの完全な欠席裁判でしょう! 一方的過ぎますよ! ちゃんと本人の言い分も聞かなきゃフェアじゃないでしょう!


ああ、わかりました! だったら本人の言い分を聞けばいいんですよね! Nさ~ん


はーい。


ちょっと待て!


T役員が制しました。


気持ちはわかるけど、今日はY(課長)の件で集まってるんだよ。話が広がり過ぎるから、Nくんのことは、ちょっと後にしてくれ。


わかりました。


そうは応えたものの、まだ話に区切りが付いていません。


Nさんだって今まで一生懸命やってきたのに、たった一回のミスで、あれだけギャアギャア言われたら、そりゃ辞めたくなりますよ! 本当は最初から辞めさせるつもりだったんじゃないですか!


一回のミスだけで辞めさせたりはしません!


一回とか二回とか、回数はどうでもいいんですよ! そりゃ人間なんだからミスはするでしょう! だけど社員として雇ったからには少しくらいのミスはあっても、ちゃんと育てて使っていくのが社長の責任なんじゃないですか!


私、そんな些細なことで彼女を責めた覚えはありません!


今、些細なことで彼女を責めたことはないっておっしゃいましたけど…Y課長が言いました。


前に、私が冗談を言った時、みんなは拍手したのに、Nさんだけ拍手をしなかったって文句を言ってましたよね。これって些細なことじゃないんですか。


それは…。


さすがのも、少しおとなしくなってきました。


Y課長が続けます。


オレのことだって降格させるって言ってたとか、オレは知らないと思ってるんだろうけど、政権交代から全部きいてるんですよ。オレがいない所で話してたこと全部。


今度は僕が切り出します。


それだけじゃないですよ! お茶を片付けなかったから即日解雇とか○○さん暴言録を部下に作らせたり、飲み会で私に説教したから始末書か、社長だからって何やってもいいんですか! こんな会社、見たことも聞いたこともない!


独裁者』(チャールズ・チャップリン監督)という有名な映画があります。


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この中で、独裁者(モデルはヒトラー)が「私に意見を言った」という理由で自分の側近を逮捕させ、収容所送りにするシーンがあります。


その時、側近は独裁者に対して次のように言います。


無実の人間を逮捕すると、必ず報いがありますよ。


このセリフの「逮捕」を「解雇」に置き換えれば、まさにPプレスに当てはまるのではないでしょうか。


大事な人材を社長の気まぐれで次々に切り捨てるような会社が、繁栄するはずはありません。


独裁者が例外なく悲惨な結末を迎えることは歴史が証明しています。


話を元に戻します。


T役員が言いました。


この会社を見ていると、ものすごく閉鎖的な感じがするね。出版社なんだから、もっと風通しを良くして、自分の意見を自由に言えるようにしないと、いいものは作れないよ。


T役員は非常勤の取締役なので、Pプレスに顔を出すことは週1~2回しかありません。


そのため、の暴走を止められなかったことを非常に後悔されていました。


私は、ちゃんとみんなの意見を聞いています。


いやいや、そんなことはないね。始末書とか降格とか、すぐに懲罰に走る。そういった環境で自由に物を言える訳がないよ。


……。


オレが前から言ってるだろ、イエスマンは信用するな。意見を言うヤツを大事にしろって。意見を言うってことは、それだけ真剣に考えてるってことなんだよ。だから、そういうヤツの話は耳が痛くてもちゃんと聞くべきなんだよ。


だけど仕方なかったんですよ。私だって忙しかったんですよ。資金繰りのことで頭がいっぱいで、そこまで余裕がなかったんですよ!


いやいや、それはオレも社長だったことがあるから、資金繰りの大変さはわかるけどさあ、そういう問題じゃないんだよ。もっと頭を冷やしてさあ…。


大体、こんな風に私が必死で資金繰りに頭を使わなければいけなくなったのはT役員が面倒を見て下さらなかったからじゃないですか!


は? 何を言い出すんだよ!


これほどまでT役員にお世話になっておきながら、都合が悪くなれば責任を押し付けるとは、この人の頭の中は一体どうなっているのでしょうか。


だって私が相談したことも、ずっと放置されてたじゃないですか!


何を言ってるんだよ! そんなことはねえよ! それに今の話とは関係ないだろ!


は半泣きになりながら叫びました。


わかりました! そんなに私が悪いとおっしゃるんなら、みんなの意見を聞いてみて下さいよ! 私が本当にみんなのことを考えていなかったのか! 私は席を外しますから!


おいおい、ちょっと…。


みんな、集まって~!


はーい!


が席を立つと同時に、社内にいた4人の編集部員が会議テーブルの前に集結しました。


~つづく~


コメント

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■なんだか

田中真紀子元外相VS外務省官僚+鈴木宗男との闘いにそっくり。


田中真紀子氏も人は「敵か味方か」と「使用人」の3タイプしかいないって言ってみたいだし。

■凄い展開・・・

凄い展開。
凄い横柄
凄い逆切れ

このあとどうなるんだろう・・・。
冒頭の言葉が非常に気になりますが・・・。

■ドキドキハラハラ

いつもハラハラしながら拝見させて頂いています。
自分もワンマン社長の弱小会社に居たコトがあるのですが…

内の社長はまだ威厳があったので不満を持ちつつも皆付いて行ってました(結局破綻しましたが)

このTは酷いですね。
自己を取り繕う術を持たないクセに権威を持ってしまった…ある意味可哀想な人物だと思いました。

■つづく

もうちょっと御願いします。

昔の会社を思い出す。

■A出版元社長って

周囲の猛反対を押し切りPプレスを引き受けた方ですよね?
この方がいたからこそ、TはFぷろだくとから独立できたわけですよね?
アンソロジーコミックだけならまだしも、競合雑誌を立ち上げるって大英断ですよね?
(直前にもひとつ立ち上がり、1冊目だけで潰れていたと思います)
なぜ社員は誰も、そんな人にまで喧嘩を売る社長を止めないのか…

■人の

子として生まれてきた時はまわりに愛されてきただろうに、どうしてTは、こうまでしてたくさんの人から憎まれることばかりする子になったんだろう。
自分の背後に大勢の怨念を背負っていることが
わからない位に心がないんだろう。
Tは、幼稚園からやり直した方がいいと思う。
すべての言動が幼稚すぎる。
みなさんはどう思いますか?

■おはようございます

かなり、きてますね。
とても、いい大人がいうような台詞とは思えませんね。もちろんTさんです。
次の展開を期待してます。

■Tさんは…

労働法規上も問題ありますが、それ以前に小泉さんみたいですね(‐^▽^‐)

■素晴らしいです

T氏の思考の狭さを色濃く描き出した素晴らしいブログと思われます。社内で敵か味方かを論ずる辺りがすでにずれてて、過去にお世話になったかどうかなどはまったく考慮してないのが良く分かります。どうも最後を読むと今回会議も出来レースの雰囲気が漂ってまして、そういう準備するエネルギーを別に回せばいいのにと強く思います。

■無題

政権交代さんのブログに人気があるのは、似たような目に遭っている人が多いということなんでしょうか。もっと”論理的な人間関係”(伊藤整)が当たり前の社会を構築したいものですね。

■ミス

同じミスでもただ怒ると、部下が萎縮してしまうと思うけど…。
星野日本代表の監督は、部下が物事を積極的にやった結果のミスは怒らないらしい。ただ、消極的になってたときのミスや、起こるべくして起こったミスは喝を入れるみたいです。

■T社長を知っていました

T社長が以前、別の出版社に在籍していたときにアルバイトしてました。
ふと気になって検索したらこちらのブログにたどり着いたんですが、
変わらずしぶとく同じようなことやってるんだなと
なんともいえない気持ちになりますね。
ブログ、痛快でおもしろいです。

■無実の人・・・。

「無実の人間を逮捕すると、必ず報いがありますよ」
まったくその通りだと思います。

以前、私が勤めていた職場で、
無実の人をつるしあげに
した人がいました・・・。

ホント悲しい話です。

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