社長の横暴⑤
テーマ:Pプレス2008年6月25日(水)、ある編集部員(女性)がPプレスを「退職」しました。
いや、はっきり言うと、彼女も「辞めさせられた」のです。
彼女は約2年半前、T(Pプレス社長)の学生時代の友人の紹介でPプレスに入社しました。
つまり、Tの「友人の友人」というわけです。
年齢はTと同じ(36歳)なのですが、僕が入社当時から非常に気になっていたのは、彼女より一回りも年下の女性社員たちが、彼女に対して、極めて「ぞんざいな」口の利き方をするということです。
彼女はとても温厚な性格なので、それを笑って受け流していました。
でも、「年長者を敬う」ことを美徳とする日本社会では、普通は考えられないことです。
原因は言うまでもなく、Tが「彼女は仕事ができないから、それなりの扱いで良い」と他の社員に吹聴していたからです。
今年3月のある日の夜、「編集と販売でミーティングを行なう」という名目で、僕とY課長はPプレスに呼び出されました。
まだPプレスに入社する前であり、普段はなかなか編集の人たちとコミュニケーションを取る機会もなかったので、我々は「今後の販売戦略」について、あれこれと考えをめぐらせながら、ミーティングに臨みました。
しかしながら、そのミーティングは、そんなことを話し合うために開かれたのではありませんでした。
目的は、件の編集部員の「吊るし上げ」にあったのです。
その時に配られた計3枚の資料には、「彼女のせいで、いかに会社が損害を被ったか」について、延々と書かれていました。
まずは1枚目。
「2006年12月~ Pプレス独立の件でT社長の外での用事が増える。○○さんのタッチするアンソロジー(コミック)の部分が増える。結果、アンソロジーの売り上げが下がった。」
「2007年7月 印刷会社とのコミュニケーション不足で、あわやアンソロジー(コミック)が発売日に出ない、という事態に。」
「2007年9月 作家とのコミュニケーションを怠ったために、カバーイラストの出来はイマイチ、作家との信頼関係も壊れかけた。」
「まんがのスケジュール管理がずさん 作業配分をせず作業をすすめた結果、入稿日に間に合わない、休日出勤でまかなうというスケジュールといえないもので進んでいた。」
ここに書かれていることは、一人の編集部員に責任を押し付けるべきことではありません。
「売り上げが下がった」、「あわや発売日に出ない」、「休日出勤でまかなう」というのは、仮に編集部員のミスが直接の原因で起こったことだとしても、責任の所在は、彼女を管理していた編集長(=社長)にあるのではないでしょうか。
Tが必死で主張します。
「彼女は自分で仕事の組み立てができないんです。だけど、年齢が私と同じだからとか、比較的以前から在籍しているからという理由で、外の人から勝手にナンバー2だと思われているんです。でも、実際は全く違うんです。」
もし、本当に自分で仕事の組み立てができないのなら、そんな人に仕事を任せてしまったのは、それこそ上司であるTの責任です。
続いて2枚目の資料。
タイトルは『○○発言録』。
しかも、「2008.03.18 ××作成」とあります。
ご丁寧に、T本人ではなく、部下に命じて作らせたようです。
『仕事に関しての発言』
「(面接に来た男性についてPプレスでははまらないという会話の最中で)彼はもっといい会社に決まりますよ。」
「(仕事に対しての意欲を確認する会話中に)だって他にやる人いないじゃないですか。」
「(原稿作業に追われていたTに対して、24時過ぎに)早くやって下さい。早くやって下さい。」
こんな断片的な内容を並べられても、前後の状況も、本人がどんなつもりで言ったのかもわかりません。
それを、いくら一生懸命に「問題発言ですよ!」と主張したところで、何の説得力もないでしょう。
さらに、『Tプライベートに関する発言』という項目には、「その服、捨てたらどうですか?」とあります。
これについては後日、本人に確認しました。
すると、「T社長のカーディガンの袖の部分がヨレヨレになっていたので、社長なんだし、お客さんとも会わなければいけないんだから、『違う服に替えた方がいいんじゃないですか』と言ったんです」とのことでした。
まるっきりニュアンスが違いますよね。
とにかく、こんな調子で、資料を基にして、その編集部員のことを攻め立てるので、いい加減、僕もY課長もウンザリしてきました。
たまりかねて僕は切り出しました「あの…。」
Tがキッとこちらを睨み返して、「何ですか!」
「そんなにコワイ顔をしないで下さいよ。」
僕は会議の席でも、おおむね「リベラル」な発言をするので、こうした「全体主義的」な場では、流れを壊されてしまうことをTが警戒しているのでしょう。
「僕は○○さんと今まで直接、関わったこともないし、この場で『仕事ができない』と聞かされても、判断する材料がありません。まだ入社する前だから、できるだけ先入観は持ちたくないんです。」
Tは相変わらず恐ろしい目つきで僕のことを睨み続けています。
「ですから…」Tが低い声で言いました「認識していただきたいんです、彼女の現状を。」
どうやら、ここは我々が「○○さんは仕事ができない」ということを認めなければ収まりがつかないようでした。
結論の決まっている会議ほど、意味のないものはないんですけどねえ。
こんな会議に3時間も費やしたのです。
貴重な時間をつぶして、そんな結論を導き出したところで、Tはいったい何をしたかったのでしょうか。
その答えは、もう少し後になってからわかりました。
Tは、件の編集部員を紹介した友人をPプレスに呼びつけたのです。
部下二人を同席させ、先ほどのミーティングの時と同じ資料を渡して、「○○さんがいかに仕事ができないか」のプレゼンを行ないました。
そして、「彼女を正社員から契約社員に格下げしても良いか」という了解を求めました。
本当は「辞めさせても良いか」と言いたかったのですが、この編集部員が抱えている仕事は、他の社員がやったことがなく、代わりに担当できるようになるまで時間がかかりそうなことが多かったため、すぐに辞めさせるわけには行かなかったようです。
そんなに大事な仕事を担当しているのに、それでも「辞めさせたい」とは…。
矛盾していますね。
当然ながら、その友人は「激怒」しました。
そりゃそうでしょう。
自分が紹介した友人のことを、部下と一緒になってこき下ろされたのです。
そのうえ、「直接クビにするよりも悪質な肩たたき」を提案されたのですから。
「倉庫番なら紹介できますよ」とまで言ったそうです。
倉庫の方に対して失礼で申し訳ない発言だと思わないのでしょうか。
その友人はTに対して、「あんな不愉快極まりないミーティングは二度と御免被りたい」、「そんなに彼女を辞めさせたければ好きにすればいい」、「そのかわり、一切の縁を切らせてもらう」というメールを送ってきました。
結局、Tの思惑通り、彼女は「正社員」から「契約社員」に「格下げ」となり、正式に退職するまでの間は「就職活動を行なっても良い」という条件が付けられました。
最終日、事務所を出る彼女を見送る視線は、それはそれは冷たかったそうです。
もちろん、送別会も行なわれませんでした。
けれども、彼女は最後の最後まで「T社長も、いろいろと大変ですから」と話していました。
友人の紹介で入った会社のことを悪くは言いませんでした。
こんな人でも切り捨ててしまうんですね、Tは…。
さて、翌26日(木)には、また別のミーティングが控えていました。
~つづく~
■Twwwwwwwwwwwwwww
ひどすぎる・・w
。・゚・(ノД`)・゚・。
人として
悲しい、、、
切ない、、、
そして
哀れな人なんだなと
感じずにはいられませんでした。。。