特撮ヒーローの衣装複製販売で医師ら逮捕
出来良すぎて著作権法に触れる
愛知県警生活経済課と一宮署は26日までに、特撮ヒーローのコスチュームを著作権者の許諾なしに複製、販売していた一宮市小信中島仁位西、小児科医城後(じょうご)創(47)と茨城県つくば市上ノ室、サーフボードショップ経営卯都木(うつぎ)睦(41)の両容疑者を著作権法違反容疑で逮捕した。
調べでは、2人は共謀して5月2日、著作権を有する映画会社「東映」の許諾を得ずに複製した「獣拳戦隊ゲキレンジャー」のコスチューム一式を大阪府枚方市の無職男性(38)に8万4000円で、6月6日に東京都八王子市の女性会社員(20)に同様のコスチューム一式を9万7000円で販売。さらに仮面ライダーのコスチュームなど4セットを販売目的で所持し「東映」の著作権を侵害した疑い。卯都木容疑者が製作を、城後容疑者が販売を担当していた。2人とも容疑を認めている。
■子ども喜ばせるため自らも着用
城後容疑者は2004年ごろ、卯都木容疑者がインターネットオークションで出品した特撮ヒーローの衣装を購入し、完成度の高さに感激。同容疑者が経営するサーフボードショップに出向き、製作現場を見学して意気投合。
これまでに販売したコスチュームの売り上げは約800万円。しかしFRP樹脂を使用したマスクや手袋の飾り、ベルトなどの製作コストが高く、売り上げのほとんどを次の作品の製作費に充てていたという。
卯都木容疑者は「サーフボードを加工する要領で作ったら、上手にできた」。城後容疑者は「製作に金が掛かるため販売した」とそれぞれ供述しているという。
開業医で子どもと接する機会が多かった城後容疑者はイベント会場にコスチュームを着用して登場し、子どもたちを喜ばせたりすることもあったという。
ことし3月下旬、愛知県警へ相談に来た東映関係者は「問題のコスチュームは非常に精巧でわが社が製作しているものと寸分たがわない」と嘆いたという。同署員も「容疑者らが上手に作りすぎたのが災いしたのではないか」と話していた。
【写真説明】小児科医の城後創容疑者らが勝手に複製し、販売していた戦隊ヒーローの衣装=一宮署
(2008年9月26日更新)