県病院局の07年度決算の赤字幅が約25億4000万円にのぼり、「県立病院改革ヴィジョン」が目標とした約1億5000万円を大幅に上回ったことが7日、分かった。県病院局によると診療報酬改訂や県立がんセンター新病棟建設などが影響した。同ヴィジョンは07年度が最終年度で、同局は今年度中に09~11年度の新ビジョンを策定し、改めて経営改善に取り組む。
改革ヴィジョンは05~07年度の3カ年を対象に04年度に策定。(1)医療水準の向上(2)患者サービスの向上(3)経営意識の向上(経営改善)が三本柱だった。
(1)と(2)は数値化が難しいが、(3)は▽定員管理▽物品共同購入の推進▽高額医療機器の購入方法の改善--などで病院の収支を均衡させ、4病院と収入のない同局総務課の合計赤字の目標を約1億5000万円としていた。
しかし、07年度決算で赤字幅が目標を大きく上回ったほか、医業収入が約161億9000万円(目標約176億3000万円)、入院患者数が約26万5000人(同30万5000人)、外来患者数が24万9000人(同28万5000人)など、当初の目標を軒並み下回った。
同局総務課は「公立病院に求められる医療を安定的に継続できるよう、今後も経営基盤の確立に努めたい」としている。【塩崎崇】
毎日新聞 2008年10月8日 地方版