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米金融危機:なぜウォンだけ安いのか(上)

企業や銀行の危機意識がウォン安をあおる結果に

 床を突き抜けたかのようにウォン安が続いている。7日のソウル外国為替市場でウォンは前日よりも59.10ウォン安い、1ドル=1328.10ウォンで取引を終えた。3取引日でなんと141.10ウォンも安くなったのだ。米国の金融不安の影響で、欧州やアジアなど別の地域では実体経済への不安から株価が暴落しているが、韓国では為替が大きく反応して金融市場での不安が高まっている。主要国の中でドルに対して最も通貨が安くなったのが韓国だ。通貨当局はこの日、「外国為替市場での混乱を引き起こしている投機勢力がいないかチェックする」と警告した。

ドルに対するウォンのレートが一時、10年2カ月ぶりに59.10ウォンも一気に値を下げた7日、ソウル中区乙支路1街の外換銀行本店ディーリングルームでは、ディーラーたちがカップめんを食べながら業務を行っている。あるディーラーは「8月からは会社の外で昼食を取ることはほぼなくなった」と語る。/写真=チョ・インウォン記者

◆ウォンだけがなぜ

 7日に本紙とサムスン先物が、リーマン・ブラザーズの破産申請が行われた9月15日から現在まで、10カ国の通貨のドルとの変動率を分析したところ、ウォンは1ドル当たり12.66%(1160→1328.1ウォン)も下落した。

 同じ期間にユーロは5.38%、ポンドは3.11%、オーストラリア・ドルも10.9%下落した。反対に円、人民元、バーツは高くなった。

 昨年末時点と比較すると、さらに深刻な状況となっている。ウォンはドルに対して昨年末に比べて29.5%も安くなった(936.10ウォン→1328.10ウォン)。自国の通貨がドルに比べて安くなったオーストラリア(17.5%)、ニュージーランド(15.1%)、英国(12.1%)、ユーロ(7.2%)、シンガポール(0.6%)などと比べても、下げ幅が非常に大きいことが分かる。

 ウォンの価値はこれまで非常に高く評価されてきたことから、逆に下げ幅が目立つという側面もある。企画財政部の関係者は「2002年以降、円は13%ほど高くなったが、ウォンはなんと30%も高くなった。ここ数年でウォンの上げ幅があまりにも大きかったため、下げ幅もそれだけ大い」と説明した。

 しかし、それでも米国の金融不安の影響による韓国の外為市場の混乱はあまりにも大きすぎる。

姜京希(カン・ギョンヒ)記者

鄭恵全(チョン・ヘジョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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