トップ > 長野 > 10月8日の記事一覧 > 記事
【長野】「御柱用材」、シカ食害が拡大 昨年の倍以上の61本2008年10月8日
諏訪大社御柱祭の下社用材を調達する下諏訪町の東俣国有林で、ニホンジカの食害にあった御柱用材となるモミは61本と、昨年に比べ倍以上に増えたことが、地元の「御柱用材を育(はぐく)む会」の調査で分かった。6日夜の調査報告会で同会は「調査区域外でも被害が広がっている可能性がある」と危機感を強めた。 調査は6月、昨年と同じ観音沢周辺の標高1、500−1、600メートルの山林で実施。樹皮を食い荒らすなどの被害状況を会員が歩いて確認した。被害木は昨年の29本より32本多く、幼木から御柱になるような巨木まで多岐にわたった。いずれも今春までに被害に遭ったとみられる。 特に、昨年の調査で22本を確認した範囲は51本と被害が集中。調査中にシカと遭遇したとの報告もあった。また調査区域外で、食害個所に防腐剤を塗った反対側が食われた木も見つかり、いずれ枯死するという。 一方で、これまでに幹周囲に防護ネットを巻いた木は食害を免れ、効果を実証。引き続き対策を進めると申し合わせた。報告会では、南信森林管理署がシカの個体数調整を目的にワナ猟による捕獲を計画していることが明らかにされた。 東俣国有林のうち、御柱用材の供給が可能な森林面積は380ヘクタール。同管理署などによると、御柱候補木は1000本近くあるとされ、これまでに300本近くに防護ネットを巻いた。 (福沢幸光)
|