この日曜日の朝、たまたま見たテレビ番組なので記憶があいまいな部分もあるが、NHKが岡山平野を紹介していた。国の天然記念物アユモドキの生態も追いかけていて、興味深かった。
岡山平野は、穀倉地帯である。岡山市内を流れる農業用水路の祇園用水には、コンクリートの三面張りではなく昔ながらの砂の川底や、石積み護岸が残る。魚のえさが豊富で、石積みのすき間が小魚の安全を守る。
アユモドキは、姿や形がアユに似ているが、ドジョウ科の淡水魚だ。岡山県内の河川と琵琶湖・淀川水系だけに生息している。映像は、川底のえさを食べたり、ナマズに襲われそうになったりする場面がとらえられていた。
田植えのシーズンになると休耕田にも水が入り、アユモドキにとっては格好の産卵場所になる。ふ化したアユモドキの赤ちゃんも映っていた。田から水が落とされる時期には、用水に生活の場を移す。
成長したアユモドキが数匹、石積みのすき間から顔をのぞかせていた場面が忘れられない。番組を通して米作りの営みとともに生きるアユモドキの生態がよく分かった。生息環境を守らなければならないとあらためて思った。
保護活動として休耕田を借り上げるなどの取り組みが行われている。幅広い参加によるさらなる盛り上げが必要だ。