大阪市の個室ビデオ店で15人が死亡した放火事件を巡り、石原慎太郎・東京都知事が「200円、300円で泊まれる宿はいっぱいあるのにファッションみたいな形で泊まっている」などと発言し、生活困窮者を支援するNPO(非営利組織)は6日、石原知事に公開質問状を提出した。NPOは「自立生活サポートセンター・もやい」(新宿区)で、「200円の宿があるなら紹介して」などとただしている。
石原知事は3日の会見で「(都内北東部にある)山谷のドヤに行ってご覧なさいよ。200円、300円で泊まれる宿はいっぱいあるんだよ。そこへ行かずにだな、何か知らんけれどもファッションみたいな形でね、1500円っていうお金を払ってね、そこへ泊まって『おれは大変だ、大変だ』って言うのはね」と発言した。
これに対し、生活困窮者から月約100件の相談を受けるという「もやい」の稲葉剛代表理事は「200~300円で泊まれる宿なんて聞いたことがない。個室ビデオ店に泊まる生活困窮者を『ファッションみたい』というのも失礼な話だ」と指摘している。【市川明代】
毎日新聞 2008年10月6日 19時30分(最終更新 10月6日 22時16分)