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ノーベル物理学賞 小林、益川さんの母校・名大は大歓声

10月8日2時35分配信 毎日新聞


ノーベル物理学賞 小林、益川さんの母校・名大は大歓声

ノーベル物理学賞を受賞した高エネルギー加速器研究機構(高エネ研)の小林誠名誉教授と益川敏英京都大名誉教授を祝福する学生ら。色紙は両氏が名大時代に書いた寄せ書き=名古屋市千種区の名古屋大学で2008年10月7日午後7時57分、兵藤公治撮影

 ノーベル物理学賞を受賞する小林誠さん、益川敏英さんの母校・名古屋大理学部では、研究室に用意した大きなスクリーンで発表を見つめていた学生や関係者の拍手や歓声に包まれた。研究室の学生がスポーツ大会で身に着けるシャツには、益川さんの「自然には理由がある」という言葉が印刷されている。大学院博士課程2年の羽場一基さん(25)は「研究が行詰まった時、この言葉が浮かび、必ず解けるはず、と勇気づけられます。2人とも身近な存在なので、本当にびっくりでうれしい。後輩として誇りです」と声を弾ませた。

 益川さんは昨年から同大の招へい教授を務めており、先月18日にも「これから研究者になるひとのために」と題した講演を行ったばかり。4年生の依田裕史さん(23)は「テーマから話がどんどん脱線するのに、面白くて飽きない。ユーモアと信念を併せ持った人」と評した。「若いうちに成果を出してはいけない」の言葉が印象に残っているという同大学院修士課程1年の牛田敦貴さん(24)も「たまに研究室に来る先輩が、こんなすごい賞を獲ったことは大きな励みになる。いつか自分も続きたい」と興奮気味に話した。博士課程1年の西野裕之さん(25)は「英語が書けなくてまだ論文になっていない研究もあるという話が印象的。英語の書ける共同研究者がほしいという話をしていたが、ノーベル賞を受賞したからには一つでも多く論文にしてほしい」と新たな研究に期待をかけた。

 「本当にうれしい」とほおを紅潮させた名古屋大理学部の山脇幸一教授(61)。小林、益川さんが京都大の助手時代に学生だった山脇教授は、2人の研究成果が見向きもされなかったころも、ノーベル賞受賞がささやかれ始めるようになった近年も変わらずに両氏の背中を見つめ追い続けてきた。「成果主義の時代に基礎科学は時間がかかるが、今回の受賞を機に文化としての科学という側面を大切にしてほしい」と喜びをかみしめていた。

 「穏やかで秀才タイプの小林さんと個性的で天才肌の益川さん」というのが、山脇教授の2人の評。益川さんとは論文を共著したこともあり、「発想が独創的で人と違う。最初は変な人と思ったが、何度も議論を交わすうちに、なんてすごい人だろうと思うようになった」と受賞を自分のことのように喜んだ。

 午後8時35分。熱気に包まれた研究室では、山脇教授の指示で急きょ学生が用意した缶ビールが開けられ、「乾杯」と「おめでとうございます」が口々に飛び交った。山脇教授は「もっと早めに用意しておけばよかったな」とうれしそうに顔をほころばせていた。

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最終更新:10月8日2時35分

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