身に着けるスキルはT字型に
ざっくりというと、身に着けているスキルは、こんな風なT字型に自分の得意分野は深く、さらにできるだけ幅広さをもったスキルを身に着けておくと何かと都合がよいはずです。T字型にスキルを身に着けると、主にこんな都合のよさがあるでしょう。
- 自分でできることが広がる
- 他人に頼む場合でも話が早い
- 他人が何をやってるか理解しやすくなるので、自分が何をしなきゃいけないか判断しやすい
苦手なことって、なかなかやる気がしないとは思います。でも、苦手と思っていることのほとんどが実際には単なる慣れの問題だったりします。
筋肉がないと何かと生活にも支障が多いのとおなじで、苦手なことのほとんどが単に、脳のなかで苦手なタスクを行なうパターンができていないために、そのタスクをこなすのが困難だったりするだけのことが多いはずです。繰り返しの練習でパターンさえできてしまえば、ある程度のレベルでそれまで苦手だったタスクをこなすことはできるようになると思います。
実際、「あれ、意外とできるじゃん」と思ってしまえば、もともと苦手意識とか、自信のなさとかが影響したりもしてますので、逆にそれまで苦手と思っていたことがむしろ得意になってしまうということも多いはずです。まぁ、それだけ苦手とか不得意とかって単なる本人の思い込みということも多いのでしょうね。
苦手なことを克服するプロセス
さっきも書いたように、苦手ことを克服するのって、陰で練習を繰り返してみるのが遠回りなようでも結局は近道だったりします。素振りを繰り返して身体にスイングを覚えさせるようなものでしょうか。なので、基本的には、苦手なことを克服するプロセスってこんな感じだと思います。- 自分が苦手だと思っていることを得意にしている人を探す
- その人のやり方を真似て、そのとおりにやってみる
- しばらく繰り返してみて、身についてきた、あるいは、なかなか身につかないと感じた時点で、また別の人のやり方を真似てみる
- 1〜3の繰り返し
苦手なことを克服するためのアイデア
では、いくつか苦手なものを克服するための特訓法(?)について、アイデアをご紹介。あくまで僕自身がこれまでやってきた練習法なので、万人に効果的かどうかはわかりませんが、それほど役立たずなわけでもないかと思い、ざっとリストアップしてみます。- 1.人前で話すことが苦手
- これは結局、自分がうまく話せない、うまく話せないので意識過剰になってしまい、よけいに緊張してしまい、しどろもどろになるということが多いのではないでしょうか? だとしたら、まず、話すということをする前に「話をまとめる」ことの努力と「自分の話がちゃんと理解してもらえるという自信」を身に着けることが先決かなと思います。
それには、リアルタイムで受け答えしなきゃいけない場ではなく、ネット上でmixiの日記やコミュ、あるいは、自分のブログなどで、自分が考えていることを書き留めるということをやってみたほうがよいでしょう。
その際にはただなんとなく書くのではなく、相手に伝えるということを意識することが大切。どうせ誰も興味がないなどと最初から思い込むのはナシ。それは単なる逃げで、それだと練習にならない。あくまで練習なので伝えようとする努力が重要です。
ようするにこれで「話をまとめる」ということと「どんな話なら相手に興味をもってもらい、話を聞いてもらうことで相手が理解するのか」ということを学ぶわけです。これで話をどうまとめれば、相手が自分の話を聞いてくれるかを理解し、それなりの自信がつけば、リアルの場でもそれほど緊張することもなくなるはずです。
- 2.文章を書くのが苦手
- これは結構、克服するのがカンタンです。自分が好きだなと思う人の書き方をひたすら真似ることです。とにかくいろんな人の言い回しや文章の構成とかを真似てみる。最初はとにかく物真似でOK。内容よりも量をこなすこと。それでこれもやっぱりどこかの時点で他人に見てもらうのが重要ですね。その意味ではやっぱりブログやmixiなどを使うのが有効かと。
- 3.図を描くのが苦手
- ダラダラと文章で書くより図にしたほうがわかりやすくていいと思うんだけど、どうもそれが苦手という人、結構、多いと思います。これも基本的にはたくさん描いてみることが前提ですけど、その際、自分がいいなと思う図を真似てみるのがいいと思います。真似てみて、自分の描いた図と元の図の何が違うのかを考えてみる。大抵の場合、色数を多く使いすぎていたり、余白の使い方がおかしかったり、要素にメリハリがなかったりといったところに問題があるはずです。繰り返し描いてみることで、そういうバランス感覚が身に着いてくるはずです。
- 4.構造的に考えることが苦手
- これ、昨日の「千客万来のアーキテクチャ」でも書きましたが、本当に苦手な人が多いと思います。その原因の1つは図にして描くという3.のスキルが身に着いていないことにも原因があると思います。あるいは、数学的な発想が身に着いていない場合もそうでしょうか。どっちを先に見につけてもいいとは思いますが、ここでは図にする方法をおすすめします。
とにかく構造というのは直接的に目に見えないことが、考える対象として把握しづらい点が問題なので、図にして可視化することが苦手を克服する第一歩かなと思います。もちろん、数学的手法で可視化してもいいし、グラフを使った可視化もありです。とにかく見えないものをそういう手法で可視化して理解しようとする努力が必要だと思います。
- 5.物事を動的に理解することが苦手
- これも結構、身に着けてると便利なスキルです。多くの人は一歩先くらいのことを予想するくらいで、一歩先の変化が起こったら二歩先、三歩先にどんな変化が予想されるかということまで考えません。まず、一歩先ですら、構造的発想が苦手な場合があるのでなかなかうまくイメージできないこともあるのではないでしょうか?
この場合もとにかくいろんな可視化の手法を身に着けておくと、いろんな角度で図示化することで時間的要素も交えて構造的な発想というのができるようになってくると思います。図示の方法としては、ロジックツリー、プロセスマップ、特性要因図などが使えますし、マインドマップみたいなツールも階層構造的発想を行なう上では使えるのではないかと思います。
あと、物事を動的に理解することを身に着けるために、他人のやり方を真似するという意味では、そうした発想をしている人の本を片っ端から読んでみることも大事だと思います。そういう意味でのおすすめは下の3冊ですね。
以上。ざっと思いついたことをリストアップしてみましたが、基本的にはうまくやれてる人のやりかを真似てみるというのが基本だと思います。
そこでまずは身体にあったやり方を身に着けること、そして、ある程度プロセスが身体に染みこんで自動化できるくらいになるのを目指すことですね。
基本は、茶道や武道でいわれる守破離だと思います。
何より自分は苦手だと思い込まず、苦手だと認識したらむしろ苦手を克服しようと考え、とにかくそれに取り組んでみる積極的な姿勢が必要かと。
まぁ、そのことに時間がとられすぎて得意なことを伸ばす時間が必要以上になくなってしまうのも問題だと思いますが、とはいえ、そんなに他人に自慢できるほど得意分野を持っている人も多くないと思うので、まぁ、いろいろ試してみるのがよいのではないかと。
P.S.
関連情報として「真似るための3つの条件」を追加
(2007/01/08 08:24)
ところで「苦手なことを克服するプロセス」で思ったことは、単に「得意としている人」を探すのではなく、真似できる範囲で探したほうが良いのではないかと思います。
たとえばスポーツなら大抵は真似しようとできますが、勉強とかそういうものは真似しようにも思考が追いつかないので、また挫折してしまいそうになるかと思います。
まずは自分の能力と比較的近く、かつ、自分よりも得意そうな人の真似をするのが良いと思いました。
無理して努力が続かないといけないので、真似できる範囲でというのは賛成です。
でも、それってスポーツでも同じじゃないかなとも思いました。
朝青龍やヒョードルの真似はなかなかしようとは思いませんw
マラソンなら走り方を真似するのは簡単ですが、
バスケのダブルクラッチなんて最初から真似はできません。
まー、それでも練習しないとできっこないですが。