ノーベル物理学賞受賞発表の直後、京都市の京都産業大で報道陣の前に姿を現し「喜びの声を」と求められたた益川敏英さんは「いや、大してうれしくない」と言ってのけ、報道陣の爆笑を誘った。
そして「だって物理屋としては、我々の言っていることは既に02年、03年の実験で確立された。それがいちばん重要なこと」と淡々と語った。「その時はうれしかったが、後は社会的なお祭り騒ぎということ」と付け加えた。
一方で、南部さんが受賞したことには「当然のことで、南部先生が取ったのが一番うれしい」と喜んだ。「南部先生が我々に非常に速くアイデアを出してくださった。しかし、それを最後まで刈り取(ってご自分の成果にす)ることがあまりない。南部先生は(これまで)賞にはマッチングしなかったんですね」と話し、「日本人としてとてもうれしい」と強調した。
毎日新聞 2008年10月7日 22時34分(最終更新 10月7日 22時44分)