本文へメインメニューへ
ここから本文です

ハート ネット ピープル

今日一日

尊敬する短歌絶叫朗読の福島泰樹先生(右から2人目)との記念写真。 
[写真]尊敬する短歌絶叫朗読の福島泰樹先生(右から2人目)との記念写真。


『今日一日』を生きたい、と思っている。
これから人生どうなってしまうのだろう? 未来への不安に怯えることもある。
もともとの性格は、楽観的なタイプか悲観的なタイプかと問われれば、未来への明るいイメージを持てない方だと思う。
十代、二十代の時は特にその傾向が強かった。
未来への想像はいつも暗いものだった。
部屋から外に出れば、傷つく、
何かを始めれば、必ず失敗する、そんなイメージが付きまとった。
傷つく前に何もしない、失敗するのならばやらない、
そうやって自分を守ってきた。

二十七歳、アルコール依存症の治療を終えて精神科の病棟を退院した。
二十七年間、失敗ばかりだったので人生に常に暗い影を感じていた。
アルバイトと自助グループに行ってはいたが、
「必ず、未来に悪いことが起きるような気がする」
そのことばかり言っていた。
親しい、アルコール依存症から回復した仲間が、僕にこう言ってくれた。
「先のことばかり考えると、落ち込んじゃうよ。今日一日だけを生きよう!
今日一日だけお酒をやめよう! 今日一日だけ一生懸命に生きようよ!」
僕は毎日、そのことだけを考えることにした。
不思議と、言葉が胸に入り、慰められた。不安が少し無くなったような気がした。
あれから、十六年が過ぎた。
今でも、毎朝自分に言い聞かせている。
「先々の不安は消えないけれども、今日一日だけを生きていこう!」
不思議とこの言葉で、今日一日を新しく生きることができる気持ちがする。

コメント

オールニートニッポンでもお世話になった者です。
改めて月乃さんにお礼を申し上げます。

月乃さんの、この文章に深く共感いたします。

私も、月乃さんのように「今日一日」を生きていきたいと思います。

どうか、私が、そのようにできますように。

月乃さんの、今後のよりいっそうのご活躍を祈念いたしております。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://cgi2.nhk.or.jp/cgibin/blog/tb.cgi/7148