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石井、卒業まで“柔道一本”宣言…一夜で翻意の謎

総合格闘技転向は当面保留

 総合格闘技へのプロ転向と柔道界からの“追放”と報じられた柔道の北京五輪男子100キロ超級金メダリストの石井慧(21)が7日、都内で会見を開き、「今は卒業に専念する」と一夜にして翻意した。特異のキャラクターと放言で人気を集めてきた男は、その柔道家の枠を越えた言動ゆえに柔道界から疎まれてきたことも確か。しかし、「鬼より怖い」恩師らの説得で当面は柔道界にとどまる道を選んだようだ。

 「指導者として柔道界に残るというのはない」

 将来は総合格闘技に進むことを見据え、石井は柔道界で生きる道をキッパリと否定した。しかし、受けを狙った好き放題のコメントや、細い目をさらに細めて笑うトレードマークの笑顔は1度もなく、言葉を選んで伏し目がちに話す姿が印象的だった。

 ことの発端は6日、都内で開かれた全柔連専門委員長会議後の吉村和郎強化委員長(57)から飛び出した衝撃の発言だった。

 「前日(5日)の試合(世界団体選手権)後、本人と話し合った。『総合(格闘技)に行きたい』と言うので、おまえの人生だから好きにすればいいんだと言ったんだ」

 石井は調整不足と股関節痛を理由に世界団体選手権を欠場。大会直後には一部報道によるプロ格闘家への転向について、「プロになる気はない。本当に言ってない」と全面否定。だが、その後に吉村委員長に本音を明かしていた。

 それを受けてのきょうの会見。しかし、石井から出てきた言葉は総合格闘技転向ではなく、「将来、行ってみたいが、今は卒業のことで頭がいっぱい。これから振り出しに戻って考えたい」と現時点での転向は否定した。

 石井が総合格闘技に並々ならぬ興味を持っていることは間違いないが、一夜明けての意外な翻意は、なぜなのか。そこに2人の人物が浮かぶ。

 それは、大学4年生の息子に「まずは卒業第一」と考える父親。そして、「監督に比べたら、金メダルのプレッシャーは屁でもない」と柔道界の寵児に言わしめた、斉藤仁全日本監督(47)の存在だ。

 斉藤監督も会見で、「前期は合宿で五輪後も色々な祝賀会がありとにかく過密スケジュールでリポートばかりで授業に出ていない。こちらも本人がその気にならないとサポートのしようがない。これからは卒業モードでやれということです」と、監督の説得だったことをにおわせた。

 石井は格闘技団体からのオファーや総合格闘技の練習についても否定し、「まずは授業に出ないと。卒業してそれから柔道を本当にやりたいかどうか考えてみようと思う。(総合格闘技へ)いつ行くかはまだはっきり決めていない。時間があるのでゆっくり考えたい。焦ってもしかたがない」と話した。

 石井は大阪府出身。06年、19歳4カ月の史上最年少で全日本選手権を制覇。今年4月の全日本選手権で2度目の優勝を果たして五輪代表に選ばれ、一気に世界の頂点に上り詰めた。

 当面はおとなしく単位取得に励むという石井だが、124単位中、すでに107単位取得しており、現時点で卒業が困難な状態ではないという。

ZAKZAK 2008/10/07

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