98年に指定暴力団住吉会系組長らが北朝鮮船籍の船と接触し、覚せい剤約300キロを密輸しようとした事件で、警視庁と埼玉県警などの合同捜査本部は7日、国際指名手配していた元住吉会系組幹部、青山幸男容疑者(60)を覚せい剤取締法違反(営利目的所持)容疑で逮捕したと発表した。容疑を認めている。公訴時効が今月27日に迫っていた。
調べでは、青山容疑者は組長ら6人=いずれも覚せい剤取締法違反罪などで実刑が確定=と共謀。98年8月15日ごろ、高知県・興津崎沖で、漁船「玉丸」内に覚せい剤約300キロ(末端価格約180億円)を営利目的で所持した疑い。
青山容疑者は同年7月下旬ごろ、組長の指示で北朝鮮・平壌に渡り、覚せい剤約300キロを北朝鮮籍の漁船に積み込んだ。玉丸は8月12日、東シナ海の公海上で覚せい剤を受け取ったが、海上保安庁の巡視船に追跡され、高知沖で覚せい剤入りのポリ袋を投棄した。このうち約200キロは高知や三重、愛知の各県の海岸などで見つかり押収されている。
今年8月末、警視庁に潜伏先の情報が寄せられ、6日夜、千葉県鎌ケ谷市内のアパートで青山容疑者を発見し逮捕した。(【武内亮】)
毎日新聞 2008年10月7日 13時23分(最終更新 10月7日 13時24分)