山形大付属病院で今夏、60代の男性患者が手術後に出血性ショックで突然死した問題で、同病院は6日「予見不可能な症状があり、医療過誤は認められない」との調査結果を発表した。
山下英俊病院長や外部の外科医ら10人による調査専門委員会が調べた。解剖の結果、男性患者は血管の壁が弱く、裂けやすくなる症状にかかっていたと判明。手術後に左脚付け根付近で血管が裂ける「動脈解離」が進行し、血管が切れて、出血性ショックを引き起こした。
珍しい病理で、見た目では異常が分からず、現在の医学レベルでは「断裂を予測することは不可能」と結論づけた。遺族の理解は得たという。山下病院長は「患者さんの冥福を祈る。今後の研究に生かしたい」と話した。【林奈緒美】
毎日新聞 2008年10月7日 地方版