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元理事長の働き掛けか 堺の病院、医師ら一斉退職
堺市南区の透析専門病院「長寿クリニック」で医師らが一斉退職し、通院患者が転院を余儀なくされた問題で、退職した職員16人が隣接する医療機関に移っていたことが6日、分かった。関係者によると、元理事長の近畿大医学部元教授(70)側の働き掛けがあったとされ、経営上の対立をめぐり医師や看護師らが引き抜かれたとみられる。堺市保健所は同日、一連の経緯を調べるため病院を立ち入り調査した。
同病院では9月末に常勤医師4人のうち副院長を含む2人と看護師、薬剤師ら計16人が一斉に退職。受け持ちの通院患者に事情を説明し、約130人の転院を斡旋(あっせん)した上で、隣接する医療機関に移った。
関係者によると、その際、運営する医療法人「長寿会」の経営権をめぐり法人理事と対立する元理事長側の働き掛けがあったという。元理事長は産経新聞の取材に「理事らの独断専行に嫌気がさし、多くの職員が反発していたようだが、自分が一斉退職に関知したことはない」と話している。
同クリニックでは、理事長ポストをめぐり、法人理事らが平成18年9月、元理事長の職務停止を求める仮処分を大阪地裁に申請、1審判決を不服とした元理事長側が高裁に控訴している。元理事長側も理事らを背任や有印私文書偽造罪などで刑事告発している。