岡山放送局

2008年10月6日 23時54分更新

無年金訴訟 最高裁訴え退け


国民年金の加入が義務づけられていなかった学生時代に重い障害を負った岡山と京都の人たちが、障害基礎年金が受けられないのは不当だと訴えていた裁判で、最高裁判所は国の対応に問題はなかったとして訴えを退けました。

大学生のときに体などに重い障害を負った岡山と京都の男女3人は、障害基礎年金が受けられないのは不当な差別で憲法に違反するとして、国に年金の支給と賠償を求めていました。

障害基礎年金は成人の場合、国民年金に加入しないと支給されないため、学生のときに加入しないで大きなけがや病気をした人が支給を受けられない事態になっています。

判決で最高裁判所第2小法廷の津野修裁判長は「平成3年以前に国が、20歳以上の学生に国民年金の加入を義務づけなかったのは、学生や親の経済的な負担などに配慮したためで、憲法違反とまではいえない」として1審と2審に続いて訴えを退け、3人の敗訴が確定しました。

この問題では、全国9か所で30人が訴えを起こしましたが、去年、最高裁が年金の支給を認めない判断を初めて示していました。

国は支援の要望を受けて、3年前から年金が支給されない人に、月に最高で5万円の給付金を支給しています。