絶滅の恐れがあるホッキョクグマ
絶滅寸前のイベリアオオヤマネコ=IUCN提供
密猟の影響を受けるアフリカゾウ=IUCN提供
国際自然保護連合(IUCN)などの国際チームは6日、世界の陸や海に生息する哺乳(ほにゅう)類の4分の1が絶滅の危機にあると発表した。10日付の米科学誌サイエンスに論文が掲載される。
調査には国際環境NGOコンサベーション・インターナショナルなど130カ国、1800人以上の研究者が参加した。世界にいるとされる5487種の哺乳類のうち、調査データ不足の836種を除く4651種を分析した。
1500年からこれまでに76種が絶滅し、シロオリックスなど2種が野生で生息が確認されていない。絶滅の危機にあるのは1141種に上り、このうち特に188種が絶滅寸前だった。スペインとポルトガルの高地で百数十頭しか確認されていないイベリアオオヤマネコや、中国・長江などに生息するヨウスコウカワイルカなど29種は手遅れの状態という。
各地の熱帯雨林で伐採が進み、生息地が減少しているほか、アジアやアフリカなどでは狩猟などで数が減っていることを理由に挙げている。
海の哺乳類では、78%の種が漁業の混獲などで影響を受けているほか、60%が海洋汚染の影響を受けている。地球温暖化でも、北極圏の氷の減少でホッキョクグマやタテゴトアザラシが脅かされている。(中村浩彦)