放火事件で、殺人と現住建造物等放火容疑などで逮捕された小川和弘容疑者(46)に接見した岡本栄市弁護士が6日、小川容疑者には具体的な動機が見あたらないとしたうえで、「今の時点で殺意はなかったと言わざるを得ない」と述べた。
岡本弁護士は、小川容疑者が自ら火をつけたことは認めているものの、「ほかの人を巻き込もうと思っていなかった」と話していると説明。大阪府警の調べに殺意を認めたのは、「火をつけた点は事実だから」と話したという。
府警は逮捕当初、小川容疑者が「こんなところで火をつけたら、ほかの人が死ぬのはわかっていた」と供述したことから、「未必の故意」による殺人罪などが成り立つと判断していた。
岡本弁護士は今回の事件について、故意よりも過失によるものとの見解を示し、「本人の生活が破綻(はたん)しているのは確かだが、社会を恨んでいるわけではない」とし、「客観的な証拠で事実を解明してほしい」と述べた。