にけ
10/04(土) 22:20 IP:220.148.16.13 削除依頼 叶わなくてもいい、好きな人が幸せならそれでいい。
なんて美しい心なんて、生憎持ち合わせてない。
授業中、彼の寝顔をそっと見る。
それだけで私は満たされる。
NO.1 にけ
10/04(土) 22:33 IP:220.148.16.13 削除依頼 彼のこげ茶色の髪の毛が、風で少しなびく。
私は目を細めて彼を観察する。
机の横にかけられたカバンには、イニシャル入りのキーホルダー。
彼と、彼の大切な人のキーホルダー。
寝ている彼の下に広げられた教科書とノート。
すこし大きめのセーター。
履きつぶされた靴。
少し長めのまつげ、整えられた眉毛。
少し開いている唇。
どれかひとつ、とは言わずに全て手に入れたい。
「横恋慕、」
隣の男子に囁かれ、我にかえる。
「え?」と横を向いて聞き返す。
「横恋慕って言うんだよ。そういうの。」
奴は黒板を見たまま、私の方は見ずに言った。
私は授業中にも関わらず少しうるさいこの教室のせいで、奴の言葉が聞こえなかったことにした。
NO.2 にけ
10/04(土) 22:50 IP:220.148.16.13 削除依頼 私はそのまま寝たふりをした。
横恋慕、ね。
奴はクラスのムードメーカーこと石原。
細身で柔らかそうな色素の抜けた髪にピアスに指輪。
今時の男子高校生だ。
そんなお調子者に見透かされてしまうとは。
不思議と焦ることもなく、自分でも驚くくらい冷静にだった。
親友でさえも私が彼のことが好きなことを知らない。
自分からも言わないし、友達に悟られることもなかった。
「叶わなくても、やめられないんでしょ?」
再び、不意に奴が口を開く。
私は寝たフリを続ける。
「でも、手に入らないなら、人のものになるなら・・・」
奴は、今まで聞いたことのないくらい低く、落ち着いた声で言った。
「いっそ壊したくならない?」
NO.3 にけ
10/04(土) 22:57 IP:220.148.16.13 削除依頼 私は夢を見ているのだろうか。
いつもお調子者キャラで、真面目とはほど遠い奴が、サラリと何かどす黒い言葉を吐いた気がした。
壊したい・・・?
確かに手に入らないものを追い続けるのは苦しい。
人のものだとわかっていても追い続けてしまう。
壊したい・・・?
どうゆう意味?
考えているうちに、いつの間にか眠りに落ちていた。 #
NO.4 にけ
10/04(土) 23:06 IP:220.148.16.13 削除依頼 授業中は斜め前の席の彼を見る時間。
昼休み、いつものように友達と弁当を食べながら、いつものように恋の話をする。
彼氏が冷たいだとか、好きな人のアドレスを聞いただとか、普通の話。
好きな人いないの?彼氏作らないの?
なんて質問に苦笑いで答える。
「好きな人なんていないよ。」
だって私は彼を、『愛してる』から。
なんて絶対に言えない。
男に興味なんてない。
当然女にもないけど。
私が興味があるのは、あなただけ。
昼休みが終わり、また彼を観察できる素晴らしい時間がやってきた。
NO.5 @yu
10/04(土) 23:17 IP:58.3.97.120 削除依頼 - すごくきれいな文章だなと思いました。
ねくすと
NO.6 にけ
10/04(土) 23:22 IP:220.148.16.13 削除依頼 彼はいつも寝ている。
時々起きて、携帯をいじる。
そしてまた寝る。
彼は、大きめのセーターから出ている長い指ですばやく文字を打つ。
送信。
何枚かの壁を越えて、彼女の携帯、新着メール受信。
なんて考えながら彼を観察。
一番後ろの席でよかった、本当に。
「好きだね〜。」
気が抜けるような声が隣から聞こえた。
一瞬の沈黙。
「何が?」
私は奴の方を向かずに答えた。
「そーゆーの、なんかすごくいい。」
奴の方を見ると、満面の笑みで私を見ていた。
なんか、腹が立ったので、吐き捨てるように言った。
「意味が分からないんだけど!てゆうか、なんかあんた気持ちわるいよ。」
NO.7 にけ
10/04(土) 23:23 IP:220.148.16.13 削除依頼 - @yu様
私にはもったいない言葉ですが・・・
ありがとうございます!!
NO.8 にけ
10/04(土) 23:36 IP:220.148.16.13 削除依頼 「気持ち悪い?」
奴はニヤニヤしながら聞き返した。
私はもう奴を相手にするのをやめようと、前を向き、固く口を閉じた。
それでも感じる彼の視線。
痛いくらいに感じる。
見られる、という不快感を感じる。
言ってしまえば、奴の存在自体がが不快だ。
徐々に不快感より恥ずかしさが勝ってきたので、お得意の寝たふりをする。
相手の顔が見えなくても感じる視線。
体中の筋肉が緊張する。
傷つけてしまうだろうと思って、聞き返された時、答えることができなかった。
しかし、はっきりと断言できる。
奴は気持ち悪い上に人をイラつかせる事が得意だ。
NO.9 にけ
10/04(土) 23:52 IP:220.148.16.13 削除依頼 授業中も、食事中も、入浴中も、寝る前も、頭に浮かんでくるのは、彼。
家で、安っぽい恋愛ドラマを見て思う。
彼は、彼女とどうやって知り合ったのか。
告白はどっちからしたのだろうか。
記念日はいつなのだろうか。
初キスはどこでしたのだろうか。
彼女にどうやって触れるのだろうか。
彼はどのような表情で彼女に触れるのだろうか。
考えているうちに自分でも収拾がつかなくなる。
そしてとても悔しくなる。
彼のこげ茶色の髪の毛。
部活焼けしている小麦色の肌。
輝いている瞳、筋の通った鼻、薄い唇。
ほどよくついた筋肉。
彼の声も笑顔も体温も心も、全て手に入らない。
手の届かないところにある。
全てを手に入れた彼女が憎い。
しかし、既に戦う余地も用意されていないのだからどうすることもできない。
確か、奴が言ってた。
手に入らないなら、人のものになるなら、いっそ壊したくならない?
私は違う。
彼の彼女をめちゃくちゃに壊して、消してやりたい。
NO.10 にけ
10/05(日) 00:10 IP:220.148.16.13 削除依頼
一秒でも多く、彼を見ていたい。
朝、彼は自転車通学だから、電車通学の私とは絶対に会わない。
放課後、部活の違う私たちは絶対に会わない。
でも、一秒でもいいから多く彼を見ていたいから、私は朝早く学校に行く。
いつもは誰もいない静かな教室。
静かな教室は、落ち着くし、冷静でいられる。
いつもの静かな教室。
でも今日は違った。
窓際の席の机に座って窓の外を見ている人が一人。
奴だ。
ヘッドホンから漏れる不快な音が私を苛立たせる。
一番、一秒でも多く見ていたくない奴が私より早く教室にいるなんてことがあっていいのだろうか。
まるで展開の甘い少女マンガのような展開だ。
「おはよう、はやいねー!」
奴はヘッドホンをつけたまま、大きな声で言う。
私はため息をつきながら席に座った。
「いつもこの時間に来てるから。」
「一秒でも多く見てたいから?」
奴はゆっくりヘッドホンを取って、真顔で言った。
私は俯いて、固まった。
図星を突かれて、恥ずかしいというよりは恐怖を感じた。
なぜ、全部見透かす?
とりあえず顔を上げて奴の顔を見ようとした。
NO.11 真
10/05(日) 00:18 IP:219.124.245.251 削除依頼
読んでいて涙が出そう。 言葉の羅列に胸が苦しくなりました
続き楽しみにしてます 頑張ってください。
NO.12 にけ
10/05(日) 09:50 IP:220.216.3.200 削除依頼 - 真様
ありがとうございます!
初心者ですががんばります!
NO.13 にけ
10/05(日) 10:15 IP:220.216.3.200 削除依頼 - 恐る恐る奴の顔を見た。
またいつもの気持ち悪い笑いを浮かべているかと思った。
だけど、奴は見とれるくらい美しく、そして悲しげな顔をしていた。
教室の電気はひとつもついていなくて、少し薄暗い。
奴の独特の雰囲気と教室の薄暗さで胸がつまりそうだ。
私は、再び俯いた。
いたずらに重い空気、5秒の沈黙。
「なんでいつも早く来るの?・・・俺は、好きな人に一秒でも多く、見てもらいたいから。」
今度はどんな表情で言ってるのだろうか。
確認する余裕もなく、必死に返す言葉を選んだ。
「見たいんじゃないの?見られたいの?自身あるんだね。」
いつもは明るく何も考えてなさそうな奴がおそらく私にだけ見せる、”別の顔”に私は戸惑う。
「もう、飽きるほど見ていたから、ね。」
そういって、少し口角を上げる奴を見て、寒気がした。
「それは、重いよ。」
奴はハハッと軽く笑っいながら教室から出て行った。
いつもとは違う、朝の教室。
こみ上げる不安、動揺。
それでもいつもと変わらずだんだん人が増えていく教室に、安心させられた。
NO.14 にけ
10/05(日) 10:52 IP:220.216.3.200 削除依頼 - 仮説が当たっていても、真実を突きつけられる覚悟はない。
自習の時間、私はまたいつものように彼を観察する。
寝たふりをして、彼達の会話を盗み聞き。
彼が発する言葉のひとつひとつが頭の中を駆け巡る。
彼の声が頭の中に響く。
彼の声が何度でも私を満たす。
彼ら話のは一貫として女の話。
改めて彼以外の男のくだらなさを感じる。
彼の声にいちいち愛しさを感じながら彼らの話をぼーっと聞いていた。
「俺、なんかふられそうな雰囲気なんだよね。メールも電話もシカトされてるし。」
愛おしい彼の声に、全身が熱くなる。
そのままふられてしまえ。
傷は私が癒してあげるから、なんてね。
彼からのメールも電話もシカトをするなんて、彼女は何様のつもりなのだろうか。
彼女の携帯電話は何のためにあるのだろうか。
こんな女、早く別れたほうが幸せにきまっている。
彼にとっては悲恋にすぎないのだけれども。
NO.15 にけ
10/05(日) 13:26 IP:220.216.3.200 削除依頼 「なにそれ、喧嘩でもしたの?」
誰の声か分からないけど、男子が楽しそうに聞く。
「喧嘩はしてないけどさ。あいつ、気分屋だからさ。」
彼は、感情を隠した声で答えた。
色素の薄い髪に、細い足、大きな瞳に白い肌。
誰もが憧れる彼女は、私が憧れる彼の女。
彼女の可愛らしい容姿だからこそ許される行為。
完璧な彼女だからこそ、完璧な彼を手に入れられる。
彼女だからこそ、彼に愛される。
私がいくら可愛く着飾って、可愛く振舞っても滑稽でしかない。
私がいくら綺麗な宝石で着飾っても彼の気を引くことはできない。
絶対に手に入らないから、もっと欲しくなる。
いっそ想いを伝えれば楽になれるのかもしれない。
だけど、それができないのは結局自分が一番可愛いからだ。
私は傷つくのがこわいんだ、何よりも、誰よりも。
NO.16 にけ
10/05(日) 17:49 IP:220.148.9.179 削除依頼
ありきたりの表現だけど、斜め前の席の彼は近いようで遠い。
どれだけ頑張れば彼に近づくことができるのだろうか。
「ねえ、また寝たふり?」
感傷に浸っているとそれを感じてか否か、奴が話しかけてきた。
「よくわかったね。」
私は体勢は変えずに、顔だけ奴に向けた。
「バレバレだよん。てゆうか暇だねー、なんか語る?」
「え?何について語んの?」
「愛?」
奴は憎たらしい笑顔で言った。
「特に話すことないよ。」
私は体を起こして、伸びをした。
「なんでよ、話聞きたいのに。」
「別に話してもいいけど。でもどうせ全部分かってるんでしょ?」
私は、冷静を装って聞いた。
「さあ?なんのこと?」
なんてとぼける奴に無性に腹が立った。
「昼休み、4階の空き教室あるじゃん?あそこで語ろうよ。待ってるから。」
「はぁ?」
「じゃあおやすみ!」
奴は、私が言葉を放つ余裕も与えず、眠りに落ちた。
普通だったら、告白?とかチャンス?とか思うんだろうな。
私はただ面倒くさい、とため息を吐いた。
私は本当に男に興味がない。
例外が一人、斜め前の席のいとしの彼。
そしてもう一人、隣の席の奴。
NO.17 にけ
10/05(日) 19:33 IP:220.148.9.179 削除依頼 #
いつものように、他愛ない話をしながら弁当を食べる。
冷凍食品で彩られた弁当。
化粧とか洋服とか彼氏の話をする友達。
教室のスピーカーから流れる、流行の曲。
コンビニ弁当を食べる彼。
なにもかもいやになるほどいつも通りだ。
いつもと少し違うのは私の心だけ。
私の脳内の9割は彼で埋め尽くされる。
残り1割は友達とか、お洒落のこととか。
今日の私の脳内の8割は彼、1割は友達とか、お洒落のこと。
残りの1割に奴が入り込んでいる。
「ちょっと用事。」
早めに弁当を食べて、4階の空き教室に足を運ぶ。
奴には嘘がつける気がしない。
奴とは、特別話し込んだこともない。
アドレスも知らない。
何も知らない。
なのになんでこんなに見透かされるんだろう。
なんで私は4階空き教室に向かって走っているんだろう。
なんで奴は、私をここへ呼んだんだろう。
NO.18 にけ
10/05(日) 21:47 IP:220.148.9.179 削除依頼
4階の空き教室の前に奴は座っていた。
昼休みは本当に人がいない。
奴は唇に人差し指を当てて、ニッと笑った。
・・・本当に何がしたいんだろう。
とりあえず私は教室のドアの前に座る奴と向かい合わせに座った。
廊下に座るのには少し抵抗があるけど、まあ人もいないし。
距離は2m強。
奴は手招きをして、自分の左隣を人差し指で差した。
小さいため息をひとつついて奴の隣に座る。
距離1m弱。
少し乱れている息を整えると、教室から聞こえる男女の声。
私は、息をするのを一瞬忘れた。
その声は紛れもなく彼と彼女だ。
全身がカッと熱くなる。
そして、会話を必死に盗み聞き。
「びっくりさせんな、別れ話かと思った。」
彼の安堵のため息と裏返った声。
「んなわけないじゃん!ずっと好きだから、ね。」
可愛らしい声で彼女。
そして6秒の沈黙。
ドアに近づいてくる二人の足音。
隠れる場所は皆無。
気づけば奴は隣にいない。
奴は私に背中を向けて立っている。
奴との距離、10m。
NO.19 夢みる子
10/05(日) 21:57 IP:218.114.192.3 削除依頼 - 独特の世界観に引き込まれます。
こういう恋愛、切ないけどいいですね。
更新頑張ってください!
NO.20 にけ
10/06(月) 16:41 IP:220.148.11.130 削除依頼 - 夢みる子様
応援ありがとうございます! 未熟者ですが頑張ります。
NO.21 にけ
10/06(月) 17:01 IP:220.148.11.130 削除依頼
ガラッとドアが開いた音が廊下に響いた。
彼と彼女は驚く。
私は思わず息を止める。
「あ・・・もしかしてこの子?」
彼女が首をかしげて彼に問う。
すると彼は、大きく開いていた目を細め吐き捨てるように言った。
「ああ、そうそう。てゆうか、こんな所までついてくんのな。」
「あ・・・えっと、分かってると思うけど私の彼氏だから・・・ごめんね。」
一連の会話の流れについていくのが必死だった。
彼女が言い終わって3秒、やっと理解することができた。
私は言い返す言葉もなく俯いた。
2人は奴と反対側に歩き出した。
ああ、見ることも許されないのか。
だんだん小さくなっていく彼の背中を見つめた。
壊したい。
絶対に手に入らない。
見ることも許されないのなら、いっそ・・・。
彼の姿が消えてやっと体の熱が治まり、廊下がすごく寒いことに気がついた。
私は、ついさっきまで彼らがいた教室に入った。
NO.22 にけ
10/06(月) 18:52 IP:220.148.11.130 削除依頼
彼が吐いたかもしれない空気を大きく吸った。
そして大きなため息を吐いた。
幸せ、逃げた。
黒板の前の教卓に座る。
首をポキポキ鳴らして、またため息ひとつ。
本当に自分の愛の重さにびっくりする。
彼に気味悪がられていたこと。
彼女もそれを知っていたこと。
彼に思いを寄せることは許されないこと。
私にとって全てが、彼を諦める理由になる。
それでもまだ彼を愛おしく思うのは異常なのか。
ますます愛してしまうのは、狂っているのだろうか。
壊してしまいたくなる衝動に駆られるのは、愛なのか。
ドアがそっと開き、奴が入ってきた。
「なんでここに私を呼んだの?」
私は奴を横目でチラッと見た。
「さあ?」
私は奴を睨んで3度目のため息を吐く。
「私、親友にもバレてなかったんだよ。」
「あいつのことが好きってこと?」
「でもアンタにばれた上に彼にもバレるって・・・。まぁこれくらいで諦められる半端な気持ちじゃないけどさ。」
NO.23 にけ
10/06(月) 19:14 IP:220.148.11.130 削除依頼
「なんでおまえの気持ちがバレたか教えてあげようか?」
「・・・なに?」
「まぁ、2通りの理由があるんだけど。」
そういって奴は私の座っている教卓に近づく。
奴との距離、50センチ。
「1つ目は、おまえが死ぬほど愛してしまったから。」
「うん。」
「2つ目は、
おまえが死ぬほど愛されてしまったから。」
奴はニッと口角を上げた。
「あんた、私のこと好きなの?」
「さぁ?」
「私ね、分かったよ。”壊したい”って気持ち。」
「あ、やっぱあの時、寝たフリだったんだ!」
「私たち、似てるよ。でも正反対。」
私は教卓から降りて奴のようにニッと笑った。
「私は愛したい。あんたは愛されたい。違う?」
「利害一致だと思うけど?」
奴は一歩私に近づいた。
NO.24 にけ
10/06(月) 21:27 IP:220.148.11.130 削除依頼
私は二歩下がる。
「それは目的が違うじゃん。私は彼しか愛せない。」
「重いな、おまえの愛は。」
奴は私にまた近づく。
奴との距離、1メートル、30センチ・・・10センチ。
奴は私とすれ違い、窓を開けた。
光が当たって奴の髪が綺麗な色になる。
長い沈黙に私は息苦しくなる。
なんでこんな所で奴と二人きりなのだろうか。
校庭から聞こえる、楽しそうな声だけが教室に響く。
そういえば私に対する彼の声は恐ろしく冷たかった。
背筋が凍るような、でも体中が熱くなる声。
冷たくてもいい。
嫌われてもいい。
極論を言えば、人と思われなくてもいい。
それでも彼の声が聞きたい。
満たされたい。
奴と二人でいても、考えるのは彼のこと。
壊したいほど、愛してる。
NO.25 にけ
10/06(月) 23:25 IP:220.148.18.92 削除依頼 - #
今日もまた呆れるほどいつもと変わらない一日。
騒がしい授業中。
私は斜め前の席の寝ている彼を見ている。
窓から入る冷たい風が私と彼の髪をなびかせる。
私はセーターの袖を伸ばす。
誤ってノートを落とす。
目を覚ました彼は私を見て、また眠りに落ちた。
END
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