割れた「餃子像」=宇都宮市平出工業団地
JR宇都宮駅東口の再開発にともない、駅西口への移転が決まっていた「餃子(ぎょうざ)像」が6日、撤去作業の途中で落下して転倒、大破した。像は駅前の待ち合わせ場所として「ギョーザの町」のシンボルになっていた。関係者は像を修復する方針という。
「餃子像」は、94年に設置された大谷石製で、ギョーザに包まれた女神をかたどっている。市からの委託を受けて作業していた同市内の業者によると、6日午前9時すぎ、台座の下にワイヤを通し、約1.6トンの像を台座ごとクレーンで持ち上げる作業をしていた。5センチほど持ち上がったところで、台座の下に入れていたバールがずれて像が台座ごと落下、像の足部分が折れて倒れ、像は大きく割れたという。
同市は「市民に愛されていた像を壊す結果になってしまい、本当に申し訳ない」と平謝り。像は撤去後、来週半ばに西口のペデストリアンデッキ下に設置される予定だった。像を所有する宇都宮観光コンベンション協会と宇都宮市では、像を修復して西口に設置する方針という。
一方、市民の間には「これを機に新しい餃子像を」という声もある。駅近くの高校に通う高堀耕志さん(17)は「新しくするならば、ギョーザ型の郵便ポストにしてはどうか」と話す。
宇都宮観光コンベンション協会の大垣博美事務局長は「ただの移動作業と聞いていた。まさか事故とは。修理して町のシンボルとしてまだまだ頑張ってもらいたい」と、像の現役続行を訴えている。