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【石川】

『事前に子育て相談を』 赤ちゃんポスト 設置病院関係者ら講演

2008年10月6日

「こうのとりのゆりかご」開設から、見えてきた課題について語る蓮田理事長=金沢市の県地場産業振興センターで

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 県内の保育園嘱託医や幼稚園・学校医らを対象にした研修会が五日、金沢市鞍月の県地場産業振興センターであった。育児困難な親が匿名で乳児を託せる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置した慈恵病院(熊本市)の蓮田太二理事長らが講演し、取り組みの成果や今後の課題などを語った。

 同病院は、ゆりかごを昨年五月に設置。子どもが預けられたケースが今年三月末までに十七件あった。

 蓮田理事長は、開設までの経緯を振り返りながら「子育てについて、事前に相談してもらうことが本来の目的」と説明。ゆりかごで救われた命がある一方、性意識の変化や性行為の低年齢化、自己責任の欠如など社会的な課題が多くあることも指摘した。

 田尻由貴子看護部長は、同病院の電話相談に年間五百件の相談が全国から寄せられている現状を紹介。女子高生が望まない妊娠・出産をしたケースなどで対応した具体的事例も挙げ、国の育児支援の脆弱(ぜいじゃく)さ、医療機関と公的機関の連携不足、学校での性教育の充実などを今後の課題に挙げた。

 研修会では、乳幼児の食物アレルギーについて、谷内江昭宏・金沢大学教授の講演もあった。 (本安幸則)

 

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