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米金融危機:韓国政府、「アジア共同基金」の創設提案

 韓国、中国、日本の3カ国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が、米国発の世界的な金融危機に共同で対処するために、800億ドル(約8兆4000億円)規模の「アジア共同基金」を創設する案を韓国政府の提案で進めることになった。

 同案は、1997年に起こったアジア通貨危機のような事態に備えるため、これらの国が2006年5月に合意したものだが、各国の出資割合をめぐり話し合いが行き詰っていた。

 また韓国政府は、世界的な不況に備え、韓中日の3カ国が財政支出を拡大し、景気回復に向け努力し合うなど、北東アジア経済圏での協力体制の構築を中国と日本に提案することにした。

 企画財政部の申斉潤(シン・ジェユン)国際業務管理官(次官補)は5日、ブリーフィングを通じてこのような計画を明らかにした。

 申管理官は「韓中日の高位当局者たちが今月13日(現地時間)、米国ワシントンで開かれる国際通貨基金(IMF)の年次定例総会で次官級会議を行い、アジア共同基金などについて話し合う予定だ」と述べた。また「中国の財政政策が韓国の輸出など北東アジアの景気に影響を及ぼすため、韓中日の3カ国が協力して財政政策を行っていく案についても話し合う計画だ」と明らかにした。

 韓中日の次官級会議は、李明博(イ・ミョンバク)大統領が今月3日に提案した韓中日財務長官会議の後続措置となる。

 また、申管理官は「800億ドルを具体的にどのように配分していくかや、意思決定構造の問題などについては、まだ意見が交わされていない状況だ。しかし800億ドルの基金造成を進めていくということだけでも、(外国為替市場での混乱を)鎮める効果がある」と期待を寄せている。

 しかし、アジア共同基金の創設案は、これまで日本と中国が主導権をめぐり争ってきており、韓国政府の提案通りになるかどうかは不透明だ。もし、韓国政府の提案が失敗に終わる場合、韓国の対外信任度を低下させるほか、外国為替市場にも悪影響を及ぼしかねないとの見方もある。

鄭恵全(チョン・ヘジョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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