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管理人「非常ベル止めた」 誤作動と判断 ビデオ店放火

2008年10月6日3時5分

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 15人が死亡した大阪の個室ビデオ店放火殺人事件で、店が入る雑居ビル6階に住む男性管理人が大阪府警の調べに対し、「(事件時に)非常ベルを止めた」と述べていることが、府警への取材でわかった。火災が起きた時、いったん鳴った非常ベルがすぐに止まったと、従業員や客が証言していた。

 府警は業務上過失致死傷などの容疑で防火体制に問題がなかったか捜査する方針で、非常ベルの停止が多くの死傷者を出す結果につながったのかどうかについても慎重に調べる。

 捜査1課の浪速署捜査本部や大阪市消防局などによると、男性はこのビルの元所有者で、今は管理人として6階に住んでいる。消防法で指定が義務づけられているビルの「防火管理者」にもなっている。

 火災があった1階の個室ビデオ店「試写室キャッツなんば店」内には、32ある各個室に熱感知器が設置されているほか、通路などに煙感知器が3カ所設置されており、火災を感知すればビル全体に非常ベルが鳴る仕組み。自動火災報知設備をコントロールする「受信盤」は6階の管理人室にあり、府警や市消防局が調べたところ、火災後、受信盤のスイッチが切られていた。

 管理人は府警に対し、ベルが鳴った後に切ったことを認めており、市消防局に対しても、「誤作動だと思った。うるさいのでベルのスイッチを消した」と説明したという。ビル関係者によると、これまでも何度か誤作動があり、そのたびにベルを止めていたという。

 市消防局は従業員や客の証言などから、ベルが鳴っていた時間は5分前後とみている。火災で亡くなった15人の客のうち、11人は個室内で死亡していた。管理人は事件後、今のビル所有者に「防火管理者を辞めたい」と申し出ているという。

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