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【コラム】為替投機勢力との戦い、長期戦の覚悟を(上)

 危機に直面した際の解決役はやはり政府だけだ。米国発の金融危機は韓国政府がベンチを飛び出し、選手としてプレーすることを求めた。通常は監督や審判の役割をしている政府が国家代表のユニホームを着て、金融システム防衛に向けてリングに上がった。今われわれは、はらはらした心情で政府が勝どきを上げるのを待っている。

 姜万洙(カン・マンス)企画財政部長官が指揮する政府経済チームは序盤から積極攻勢に出た。ドル資金を供給し、さまざまな対策を打ち出し、市場の不確実性を早期に払しょくしようと努めた。各地で繰り広げられる局地戦で政府は機先を制することに成功した。ロシアから帰国した李明博(イ・ミョンバク)大統領の口からは、先制的によく対応したという称賛の言葉も聞かれた。

 ところが、序盤から実弾の消耗が激しい。最後の堡塁(ほるい)として積み上げた外貨準備が徐々に減っている。政府は序盤に実弾を浴びせ、短期戦で決着を図るつもりだったようにみえる。姜長官は「必要なだけ外貨準備を投入する」とも述べた。いくらでもドル資金を供給するから安心してほしいというメッセージだった。

 しかし、こうした作戦はかえって市場の不安を招く逆効果を招いている。当面のドル資金需要は改善されるかもしれないが、その分外貨準備高が減少することを市場は見抜いているからだ。政府がドルを供給しても、ウォン相場は一時的に反発するだけで、翌日にはさらに下落を繰り返している。危機が短期戦で終わらないことを市場も本能的に知っているのだ。

 今まさに進行しているのは長い「信用戦争」の序幕にすぎない。真に恐ろしい相手はまだ姿すら現していない。政府が真剣勝負をしなければならない敵は、韓国の外貨準備の弱点を虎視眈々(たんたん)と狙っている国際的な為替投機勢力だ。いつやってくるか分からない為替投機勢力との一戦に備え、実弾を備蓄し、節約しなければならないのに、政府のドル資金の金遣いは荒い。

朴正薫(パク・ジョンフン)経済部長

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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