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【略歴】
山谷えり子氏 昭和二十五年(一九五〇年)、東京生まれ。聖心女子大学文学部卒業。出版社勤務、サンケイリビング新聞編集長などを経て、平成十二年衆議院議員。十六年参議院議員初当選。自民党厚生労働部会部会長代理。『嫁姑合戦』『人生について、父から学んだ大切なこと』『サッチャー改革に学ぶ−教育正常化への道』(共著)など著書多数。

猪野すみれ氏 昭和四十六年(一九七一年)福井県生まれ。東京都在住。早稲田大学大学院博士課程修了。法律学、教育学、文学の学士号と教育学の修士号を持つ。複数の大学で授業を受け持つ。

 <知を楽しむ人のためのオピニオン誌・「正論」>




男女共同参画基本計画をこの人に聞く
目指すのは男女共同“家族・社会”です(3)


内閣府政務官 山谷えり子
聞き手/大学講師 猪野すみれ

 混乱収拾には継続的な取り組みが必要

 −−私はアカデミズムの場に身を置いていますから、ジェンダーフリー教育がフェミニズム理論やジェンダー学から派生しているという流れはよくわかります。それにしても現場で行われている「男女混合騎馬戦」や「体ほぐし運動」は、ちょっとおかしいと思います。

 山谷 「男女の区別が差別の始まり。男女を区別してはならない」わけですから、騎馬戦も体ほぐしも男女区別なく行わなければならないという論理でしょうね。昨年夏の日教組の定期大会では、平成十五、六年度の運動総括として憲法や教育基本法改悪の動き、性やジェンダーフリーの教育への組織的攻撃など、平和が危機的状況にあるとして、今年十八年度の運動のスローガンに「ジェンダーフリーの理念の定着を図る」と掲げました。去年十一月には、「ジェンダー・性教育批判」対策プロジェクトチームを設置し、性やジェンダー・フリーの教育に対する攻撃の反論・是正にとりくむと、日教組教育新聞に書いていました。これを読む限り、日教組はジェンダーフリー教育をやり続けるつもりなのでしょうが、基本計画の二十二行の定義の中にここまで詳しく書かれていながら、どのように軌道修正なさるおつもりなのか。今後も非常識なことを教育現場でやり続けるのだとすれば、内閣府男女共同参画局としても文科省としてもきちんと指導していかないといけないと思っております。

 このように、教育現場や行政機関に問題があれば、それを是正していく根拠が二十二行の定義によってできたというわけです。これで完成したというわけではなく、やっとスタート台に立つことができたという状況です。今後は更に混乱を収めるために継続的な努力が必要と思います。

 −−日教組の言う「組織的攻撃」について、もう少しお話を伺えますでしょうか。

 山谷 「組織的攻撃」という表現にむしろ驚きます。全くそのようなことではないと思います。

 中山成彬・前文部科学大臣はこの件に関し高い問題意識を持っておられ、昨年文部科学省は三万二千四百三十一校にのぼる全国の公立小中学校の性教育の実態を調べたんですね。およそ七割が回答し、回答した学校の約七割で、教科書以外の市販の教材を使っていたことがわかりました。市販の教材は教科書のような検定を経ていないため教育上不適切と思われる記述や図画が載っていることもあります。そのため具体的にどのような教材を、何学年に対し、どのように使用したかを調べようとしたら、「組織的攻撃だ」と日教組が言い始めたのです。「やっていないことを、やっていると言う」と逆に攻めてきたんですね。しかし、国民の皆さんからPTに寄せられた三千五百件の声がありますから、そのような主張は恥ずかしいことです。

 そもそも日教組に言わせれば、「学習指導要領の範囲でやってください」というお願いでさえ、「組織的攻撃」です。攻撃でも何でもありません。

 −−昨年の日教組の全国教研集会では、《ジェンダーフリー教育や過激性教育に対しては、どこかの団体に所属しているような人ではない普通の保護者の間でも関心が高まっていて学校に苦情を言いにくるようになっている。そのような人たちのことを「隠れたサポーター」という》などと報告されていました。日教組としても状況は分かってはいるけれど、どこかに悪者を作り出して自分たちを弱き被害者としておかないと運動が盛り上がらないというところなんでしょうね。

→つづく

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 「正論」平成18年3月号 論文



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