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【光市母子殺害判決の要旨(2)】「初対面で真実を話すのは不自然」 (2/4ページ)
このニュースのトピックス:刑罰
(エ)平成16年2月から教戒を受けるようになり、教戒師に対し事件の真相を話した。そして、平成18年2月に安田弁護士らと初めて接見した際、事件のことを自分の口から教えて欲しいと言われ、被害者に甘えたいという衝動から抱きついでしまったこと、殺すつもりも強姦するつもりもなかったこと、右片手で押さえたことなどを話し、被害児にひもを巻いたことは覚えていないことなどを話した。
自分の供述調書を差し入れてもらい、事件記録を初めて読んで、あまりにも自分を見てもらえていないことに憤りを覚えた。そして、細かい経過を思いだして紙に書き表し、勘違いや見落としを修正して上申書を作成した。
(2)旧供述を翻して新供述をした理由などに関する被告人の供述は、不自然不合理である。
(ア)新供述と旧供述とは、事実経過や本件各殺害行為の態様、殺意、強姦の犯意の有無などが全く異なっている。自分の供述調書を差し入れてもらって初めて、その内容が自分の経験と違っていることに気付くというようなことはあり得ない。
しかるに、本件公訴が提起されてから安田弁護士らが弁護人に選任されるまでの6年半以上もの間、それまでの弁護人に対し、強姦するつもりがなかったということを除いて、新供述のような話を1回もしたことがないというのは、あまりにも不自然である。被告人は第1審弁護人と接見した際、供述調書を見せられ、内容の確認をされた旨供述しているのであるから、その機会に供述調書の誤りを指摘し、新供述で述べているような話をしなかったということは考えられない。
被告人は、弁護人が非常に頼りない存在であると認識しており、相談できなかったなどと供述している。
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