医療関係者と行政、島民代表の三者が離島の救急医療のあり方を話し合うシンポジウムが五日、南知多町日間賀島であった。体制の充実に向け、ドクターヘリの活用や救急救命士の常駐が提案された。
愛知医大の野口宏教授が理事長を務めるNPO法人「愛知万博記念 災害・救急医療研究会」が主催。野口教授を座長に、厚労省や県、同町の職員と医師、地元の衆院議員や町議らが意見を交わした。
川崎医療福祉大の小浜啓次教授は基調講演で、今後のへき地医療に常勤医の確保と二十四時間使えるヘリポートの整備を提言し、行政に実現を求めた。
急病傷者を同島から船で本土に搬送している町消防団は、搬送時の法的責任について懸念を表明。伊藤忠彦衆院議員が「国会でルール作りを進めている」と説明した。
医師からは愛知医大が運用するドクターヘリの積極的な利用を島民に呼び掛ける意見と、行政に県内二機目のドクターヘリ配備を求める要望が出された。
会場には島民百五十人も傍聴に訪れた。同NPOは今回の議論を材料に、年度内に離島や山間地といった「医療過疎地域」の体制充実に向けた県への提言書をまとめる。
(字井章人)
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