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2008-10-04

[]ここで素人臭い質問をして識者の教えを乞う このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

というわけで。


 そもそも「サブプライムローン」ってそんなにけしからん仕組みだったの? やっちゃいけないことだったの? 危ういっていえば危ういだろうけど、そのおかげで家を持てた人もいたんじゃないの? 今回たまたま、それが金融危機の引き金になっただけで、よそで爆弾が破裂することもあり得たんじゃないの? これまでも、そしてこれからもそうでしょう? 

 

 それに投機を助長するとしてこれまでもサブプライムローン以上に悪者だった「デリバティブ」っていうか先端的金融手法にしたって、ただ単にバブルを生むだけの存在だったってわけじゃないでしょう? 先物があるおかげで、普段はリスクをヘッジできているわけだし。


 そして何より大事なことは「バブルは事後的にのみ「バブル」と判定できる」ってことじゃなかったの? 厳密に言えばはじける前の好況期にだって、調子に乗って不正なことをやったやつは罰されるべきなんであって、バブルが弾けたからってその責めで罰されるわけじゃないはずでしょ?


 今後「排出権取引」をはじめとする環境ファイナンスの発展が見込まれるわけだし、それ以外にもいずれは一種の人的資本市場としての「教育ファイナンス」がどんどん発展するのではないか、という気がしている。「貧乏人が学校に行けない」という不公平の緩和には、もちろん税でファイナンスする無拠出の公教育の充実が基本だけど、今後途上国を含めて更なる中高等教育職業教育へのニーズが高まるにつれ、そしてそれに公教育財政が追い付くとは思えないので、民間奨学金市場の発展は(国ごとに事情は異なるだろうが)避けられないんじゃないか。実際たとえば小塩隆士氏なんかも「教育はオプションとしても捉えられる」と論じてたし、現状でもすでに教育投資は一種のリアルオプションであることは否定できないのではないか。

 この教育投資のシャドープライスをより的確に評価する(と標榜する)金融機関による、今よりさらに一歩も二歩も踏み込んだ特異な学資保険商品が出てきたら、そしてその「バブル」がはじけたら――とか考えると無責任妄想としては面白い。しかしそれ以上に排出権の先物市場のバブルとその崩壊なんていったいどんな悪夢を引き起こすことやら……。


 だからといってそういう民間奨学金それ自体を「危険だからやるな!」などという気には到底なれない。それによって教育の機会は、絶対的には広がるだろうから。もちろん公教育の更なる充実は多くの場合に必要だろうが、いわゆる「学歴インフレ」効果のことなど考えれば、それは民間奨学金を無用にするより、むしろそれをあおる効果さえ持つのではないだろうか。

解釈解釈 2008/10/04 19:09 >「ドマクロ馬鹿ゴキブリ」による啓蒙の成果

貯金のない人がネットするようになっただけかも…

shumeishumei 2008/10/04 10:37 識者ではありませんが、ご質問に対し私の考えを。

ご質問内容を
1.サブプライムローン自体の当否
2.GSE(≒アメリカ版住専)の存在意義、規制内容の当否、経済合理性
3.金融デリバティブ、この場合は信託受益権などの当否
4.国民の声、マスコミ会社の振る舞い
に分けさせて頂きます。

1.
低所得/経済的低信頼の方々に、
10万$単位の貸し付けを行うべきかは政治判断です。
(民間機関は貸し付けないからこそのGSEですから)
逆に言えば「サブプライムローン」が悪いのであれば、
それはウォール街でなくホワイトハウス周辺の罪となります。

2.
GSEは政策的存在ですので、貸付先は限定・低金利マスト、
そのかわり元本は政府が保証。
会社の仕組み全体がコールオプションの買いそのものです。
どうせ潰れても政府が保証してくれるなら、いくらでも
貸し付け金額を増やそうとするのは、ミクロで見た場合
極めて経済合理性に適った行動です。

3.
いわゆるサブプライムローン「問題」ってこっちのことですよね。
金融デリバティブでリスクがヘッジできる、というのは
教科書的なお題目で、むしろリスク(スプレッド、ボラティリティ)は
増大している可能性もあるのではないでしょうか。
商品そのもの、というよりは信用取引が主たる要因だと思いますが。
チューリップ事件の時代から、金融恐慌の原因が信用取り引きに
起因するケースは多いのでは?
レバレッジの規制等はあっても良いと思います。

4.
マスコミ会社やら、国民の声やらは、それ自体市場の失敗
みたいなモノではないでしょうか。
気分次第であっちこっちにランダムに動き、しかも
動き始めると一方向に収束する傾向がつよい。
うーむ、金融機関と同様、表現の自由と民主政治にも規制が必要
との結論にいたってしまった。