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部長プロフィール
人工知能が好きで、知人から誘われた「GAによる配送経路最適化案件」に心を奪われ、高校を中退し17歳で上京・就職。フリーランスのエンジニア集団の中で下積みを積んで、19歳で個人事業主として独立。その後、世間の荒波に揉まれ、紆余曲折あって2005年1月GMOメディアへ。
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シニアシステムアーキテクト
(以下Oさん)プロフィール
仲間とともに立ち上げたゲーム制作会社にて十数年プログラマ勤務。その後Webの新技術を学びたいと考え方向転換、2007年1月GMOメディアへ。 |
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モバイル公式サイトの企画・開発・運営を行っている『モバイル事業部』。
企画者・デザイナ・技術者が一つにまとまっている部署は社内でもここだけですが、今回は、部長より「モバイル事業部に来て欲しいプログラマ像についてぜひ語りたい!」とご要望をいただきましたので、めいっぱい語ってもらおうと思います! |
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◆求められるスキルについて |
部長 |
まず技術面で求めるのは、“これだけは人に負けない、負けたくない”と思えるものがあるかどうかですね。 |
司会 |
例えばどんなものですか?Oさんだったら? |
Oさん |
私は…プログラムに対する情報収集量だったら負けない、というのはありますね。家にいるときも常に情報集めてますし、Webでも入手しますが、自腹でいろいろ本も買って。とりあえず幅広く興味をもって集めておいて、必要になったときにどこにあるか思い出せる、という状態にはしていますね。 |
部長 |
Oさんは知識もそうですが、プログラム技術もスゴイですよ、10年以上ゲームの開発やってきてるんですから。モノづくりにかけるプロ意識がある。 |
Oさん |
負けず嫌いですからね、モノづくりでは負けたくないというのも、まあありますよ。好きだから、ゲームを10年やってきたんで。 |
部長 |
モノづくりを目的に、一から自分で考えて創り出すことにこだわってきている。言われたとおりに作るんじゃなく、『自分はこれを作りたいんだ』という強い意志をもち、必要なことを自発的に考えて実行する、そういう力のある人でないと。仕事だから、というのでやってたんじゃなく、好きだから作っていた、という人がいい。 |
司会 |
なるほど、他には? |
部長 |
まず、C/C++を使いこなせることは必須ですね。“組める”じゃなくて“使いこなせる”ことが重要です。『The
C++ Programming Language』『EffectiveC++』『MoreEffectiveC++』辺りは必読で。boostを隅々まで研究してるとか、C++と仲良くなれてる人がいいですね。 |
司会 |
Webのエンジニア募集要件としては珍しいですよね。どうしてC/C++が必要なんでしょうか? |
Oさん |
Cがわかっていると、その他のどの言語をやっても、トラブることがないというか、コンピューターの動きがわかるんですよね。 |
部長 |
この部署では、Windowsのアプリケーションを作ったりPHPの拡張モジュールを作ったりする業務もあるので、これから中途で社員として入ってもらう場合には、マストと考えています。 |
司会 |
へぇ…たぶん、なんとなくわかりました。これで2つ出ましたが、3つめは? |
部長 |
これは私個人の意見ですけど、数百人月単位の規模の開発で、標準化とか共通部品設計とか、品質管理とかに携わったことのある人がいたら、きてほしいですね。 |
Oさん |
確かにそうですね、自分は全然そういう経験はないんで。うちの規模だと、なあなあでもできるというか…問題がおきてもある程度時間をかければ解決できるんですが、前もって避けるための、ノウハウを持ち込んでもらいたい。 |
部長 |
ここはまずそうだからやっておかなきゃ、と事前に察知して問題を避けられる人がいいです。大手でSEとして上流工程や外注管理、品質管理をしている人で、「俺はやっぱり自分でコードを書きたい!」と思っている人がいたらぜひぜひ。 |
司会 |
なるほどー。では次のお題に・・・って、あ、まだあるんですね、はい、では4つめをどうぞー。 |
部長 |
OS・言語の開発に携わっていたり、大学とかで勉強していた人。 |
Oさん |
いるんですか、こんな人(笑) |
部長 |
コンピューターおたくの人とか・・・たまにいませんか?個人で言語設計してみました、とか。 |
Oさん |
私は会ったことないですけどね…言語は…ゲームでスクリプト作るのはやりましたけどね。まあRubyとかPHPとかも個人が設計した言語といえばそうですけど(笑) |
司会 |
そんな人、すごい限られるじゃないですか!(笑) |
部長 |
ちょっとしたマクロとかでもいいです。AHOの本とかで勉強しましたって人でも。学生で卒業時にコンパイラを作ったとか・・・。“こう書けばこう動く”ではなくて、なんでそうなるのか、といった部分にまで考えが及ぶ人がいいんです。WEB業界にいるとよく「本に書いてあるから」なんてことを口にする奴がいますが、灰皿でぶん殴りたい気分です。ちゃんと仕組みまで理解できていない人は、プロとは呼べませんね。『職人の道は道具を知る事から始まる』不測の事態にぶつかった時に、どう対処できるかが重要だと思います。 |
◆求められる資質(スキル以外) |
司会 |
やっと次のお題です。Oさんは、どんな資質が必要だと思いますか? |
Oさん |
好奇心ですね。 |
司会 |
なるほど、ええと…(続ける言葉を探す) |
部長 |
好奇心旺盛なプロがいいです。プラトンの『国家』にある言葉で「誤りを犯した瞬間において、その人を専門家とは呼べない」といった意味の言葉がありまよね、知らないですか?(首を振る二人)この理屈は極端な例ですが、専門家たりうる者にとって、非常に大切で、「専門家たるもの、失敗したときは専門家とは名乗れない、名乗るなら全て成功させなければならない」という危機感・自覚をもっている人であって欲しいと思います。プログラマの専門性において過不足があっちゃいけない。あくまで意識の持ち方についてですが。 |
司会 |
Oさん、自信あります? |
Oさん |
バグを出さないって言うのは、最低限必要なのでそこは自信ありますけど…こうやって話しているとどんどん自信がなくなってきますねぇ(笑) |
部長 |
また、何かの足がかりとしてプログラマをやるという人ではなく、プログラミングをライフワークと考えて生涯やってく、という気概があること。孔子の言葉に「これを知る者はこれを好むものに如かず、これを好むものはこれを楽しむ者に如かず」とありますよね?(また首を振る二人)プログラムを楽しめる人がいいんです。自宅でも時を忘れてプログラミングするくらい「楽しい」と感じている人。 |
司会 |
素朴な疑問なんですけど、飽きないですか?いくら楽しいことでも、何度もやってると飽きませんか? |
部長 |
飽きてしまうということは、プログラミングを楽しめてもいなければ、好きでもないということです。ただ新しい試みとして面白い、楽しいというのはあると思います。それが1時間で飽きるのか1週間で飽きるのか、それぞれですが、飽きてしまったということは、「プログラミングを楽しんだ」というよりも、「新しい事、珍しいことをやってみた」という話なのだと思います。某千葉の遊園地だって毎日行ってたら飽きますが、世界観を愛している人なら毎日行っても飽きないでしょう。それに、全く同じものを作ることはないですからね、毎回何かしら違う。 |
Oさん |
モバイルはなおのことそうですね。新しい端末が出るたび、毎回毎回立ち上げるものが違ってきて、同じものがないですから。毎回違ったものを作れる楽しさはありますよ。 |
部長 |
あとこれも外せません、『温故知新』。意味わかりますか?(さすがにわかります!)今あるものに文句を言って、現状だけを見て改善提案とかをする人は多いですけど、今あるものが出来上がるにはそれなりの理由、経緯があるわけです。そこも理解しないで、言いたいことだけいうのはダメですね。先人の築いたものを敬える人。 |
司会 |
うーん、なかなか難しいですね(もう部長の勢いをとめられない・・・) |
部長 |
そう、そういう意味では親を尊敬できない人は認められません。仕事よりも親兄弟を優先して考えられる人。『心』のない人とは仕事できませんからね。それらの徳を好んだ上で、携帯電話に興味をもっていること、コンピューターをいじることに安らぎを感じることってのが、この仕事に必要な要素ですね。 |
司会 |
ほお〜。Oさんもそうなんですか? |
Oさん |
まあ、安らぎというか、常に自分のコンピューターがないと不安、というのはありますよ。許されるならノートPCを会社に持ち込みたくてしょうがないんです(笑)自分の情報、自分のものがないと不安になります。ほんと、ちょっと偏執的かも(笑) |
司会 |
へえ〜、そういうものですか。なんだかほんとにプログラミングがライフワークなんですね。 |
Oさん |
いろいろなものをそぎ落としていったら、これしか残らなかったんで(笑)もうずっとこれでやっていくしかないというか。 |
部長 |
こういう生涯プログラマとして生きていきたい、という覚悟が、卓越した専門性につながり、プロになっていくわけですよ。 |
◆GMOメディアのモバイル事業部で得られるもの |
Oさん |
部長のもと、一人ひとつずつ、自由裁量の中で作らせてもらっていて、達成感は大きいですね。好きな人には、これはメリットだし魅力だと思いますよ。 |
部長 |
うちのメリットは、3点あると思います。ひとつには、モバイルならではの特性として、次々と新しい端末が市場に投入され、機能やコンテンツが進化し、ディスプレイもますます表現力を増していく。それを追いかけていくことが目標であり、そこに面白さあります。2つめは、グループ全体でいえばうちはある程度大きい組織なので、その安定したバックグランドの中にあること。ある程度ソフトウェアなども必要に応じ購入できるし、まあ全部ではありませんが(笑)私も個人事業主だった頃から考えると楽をさせていただいています。3つめは、そのような会社組織の中で、事業専属の開発チームという位置づけで、一種孤立した特殊なチームであること。少数精鋭、しがらみも少なく、存分に経験・スキルを発展させた開発に取り組める環境です。しがらみ…多少ありますかね(笑) |
Oさん |
まあ、事業系の部署なので、企画担当者との調整とか、売上・利益が優先されるなどの制約はあるにはありますが、それらは技術と関係ない部分で。技術面については制約なく自由におこなえますよね。 |
部長 |
自由に、最適な開発スタイルをとりたいから、平均的な人を採用するつもりはない。これまで言ってきたような意識や経験を持った人を採用していきたい。自由にできるからこそ、一人ひとりの責任が重くなるので、プロじゃなきゃ困るんです。あと、付け加えるとすれば、GMOグループとしていろんな事業をしているので、多様なサービス・事業の中から新たな価値観を得ることも可能だと思いますよ。Oさん、あと他に何かありますか。 |
Oさん |
何も付け足すことはありません(笑) |
◆今後のモバイル事業部の運営方針 |
司会 |
さあ、最後のお題です!ここまでを総括して、今後を語ってください。 |
部長 |
個の目的の達成が、まとまったときに、集団の目的の達成につながっている状態を目指していきます。一人ひとりが好き勝手やっているんだけど、気づいたらすごいものができている、みたいな。“会社ありき”か“人ありき”かでいうと、うちは“人ありき”でやっていきたい。なぜかというと、人間は楽しんでいるとき、自分の目標に向かっているときが一番生産性が高い瞬間だと思うんです。働く人にとっても会社にとっても一番幸せな形態だと思うので。Oさんはどうですか? |
Oさん |
部の運営ですか・・・私は自分のことしか考えられていませんが…『聞くな、盗め』という世界でしょうか。自分は教え方をしらないんで(笑)教えて欲しいという人より、盗む人に来て欲しい。自分も全部独学、プラス人のものを見て学んできたので。 |
部長 |
まあ職人の世界だと思ってください(笑)自分で好きなものを好きなように作りたい、と思う人は、企業に勤めていてもだんだん物足りなくなって結局フリーでやったり、自分で会社を作ったり、知人の仕事を手伝ったりしているケースが多いと思うんですよね。そんな人に、うちの会社でも存分に自分の作りたいものが作れることを知ってもらって、気に入ったらぜひ来て欲しいんですけどね。あ、あと最後に言っておきたいのは、ここまで話してきてなんですが、実情は稼働中のシステムや既存の事業との絡みで、おもしろくない仕事もあるかもしれません。でも、私たちのこの理想を叶えるために、協力してくれる人を求めています! |
Oさん |
こんなえらそうなこといって、自分が今後キツイなあ・・・(苦笑) |
司会 |
ハードル上げちゃいましたね。 |
部長 |
いや、これ網羅している人がきたら、部長の席明け渡さないといけないんで(笑) |
Oさん |
教えを請わなきゃですよね(笑) |
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以上、長々おつきあいいただきありがとうございました。
ここまで読んでくださった方がいるかどうかはわかりませんが、もしこういう考え方に引いてしまうのではなく(笑)むしろ賛同できるというプログラマの方がいましたら、ぜひお問い合わせください! |